×

竹中直人×MEGUMIが語る「生々しくて愛おしい。人間味あふれる名優たち」

「しばらく優作のままで話して」妻・松田美由紀さんも認めるモノマネ

竹中直人

――萩原健一さん、五社英雄監督、柄本明さん、緒形拳さん、蛭子能収さん… 親交のある人の愛おしいエピソードを、モノマネを交えて披露した竹中さん。松田優作さんご本人の前でモノマネをした「夢のような」時を振り返る。

竹中:この本(MEGUMI著『心に効く美容』)、めちゃくちゃ売れていると聞いたぞ。どんな思いで書いたの? 松田優作風にしゃべってみようかな。

MEGUMI:『心に効く美容』と言いまして、いろんな運動をしたり、食べ物を変えたり、美容をやることで心はどんどん元気になる、心に効く美容法のHOW TOをまとめさせていただきました。

竹中:いつ考えているの? そういうこと。松田優作がしゃべっているから。

MEGUMI:夢のようです。ありがとうございます。優作さんに私の美容本の宣伝を一緒にやっていただけるなんて、一生ないことですから。本当にありがとうございます。

竹中:1週間にどれくらいのペースで書くの?

MEGUMI:毎日3、4時間くらいです。

竹中:書きすぎたってことはないのかね? 竹中みたいに。

MEGUMI:足りないってことはありますけど、竹中さんみたいに書きすぎる人はなかなかいらっしゃらないです。あの方やっぱりちょっと変わっていらっしゃって(笑)。

竹中:じゃあ、この本に書いたように、美容の研究は毎日やっているんだ?

MEGUMI:そうですね。(優作さんは)やられていますか、美容?

竹中:やるわけねえだろ(笑)。
ありがとうございます、久しぶりに(優作さんのマネを)やりました。でもね、たまに桃井かおりさんと電話で話したりすると「しばらく優作でしゃべって」と言われる時あります。(松田)美由紀ちゃんにも。(松田優作さんの声で)「そうか、分かった。元気か?」って。

MEGUMI:似すぎていますからね。優作さんとは、もちろんご一緒されたんですよね?

竹中:27歳の時に原田芳雄さんと初めて会ったんですけど、「竹中、今度コンサートあるから来いや」と言われて、芳雄さんのコンサートに行ったんです。楽屋にご挨拶をして帰ろうとしたら、「竹中、打ち上げあるから来い」と呼ばれて、打ち上げにもお邪魔して。

会場が広いとこで、小さなステージのようなものがあったんですが、遠くのほうに松田優作さんや内田裕也さんがいるんですよ。

MEGUMI:やばくないですか!そのメンバー。

竹中:そしたら芳雄さんが「竹中、優作やれ」と。

MEGUMI:地獄!

竹中:(竹中)「いや、俺ちょっと……」
(原田)「いいから、やれ」
(松田優作のマネで)「どうしたんだ。どうしたんだ。なんじゃこりゃ!」。「太陽にほえろ!」のやつね。

MEGUMI:やったんですか!?

竹中:優作さんがそのあとすぐ来るんだけど、その前に(内田)裕也さんが「うるせえな〜このやろ〜」と(笑)。

MEGUMI:あははははは(笑)

竹中:裕也さんにまず怒られて。そしたら芳雄さんが「こいつ、面白いんだ」と抑えてくれたんです。そうすると、もう少し遠くから「こらぁ(怒)」という声が聞こえてきて、「うわ、ヤバい」と思ったら、でっかい人がどんどん近づいて来て、見下ろされて……。

(松田優作)「お前、なめてんのかよ、おい」
(竹中)「いや、なめてないっす」
(松田)「なめてんだろう、このやろう」
(竹中)「なめてないっす」

そしたら、僕の手を握って、すっと引き上げて
(松田)「ずっと見てました。愛してます」

MEGUMI:かっこいいーーーー! なに、その緩急!!

竹中:もうびっくりしたし、うれしかった。

MEGUMI:なんか、その時代の男の人かっこよすぎません? みなさん。優作さん、そんなかっこいい人だったんですね。

竹中:かっこよかったですよ。

MEGUMI:こういうお話を伺っていると、なんか、本当にあったかい時代だなって。

竹中:そうね。もう人間が生っぽくて、破天荒で、生々しくて、より愛おしいっていうか。生の俳優たちというか。CMがあってスポンサーがついているって感じじゃない。好感度とか、そういう次元にいない。

MEGUMI:本当にそう、人間味。人間味のある役者さんがいっぱいいたのを聞いて、ほっこりしてしまいますね。

竹中さんは飲んでいる時に、こういう話をしてくださるんです。日本のエンターテインメントが、今とはまた違う素敵さがあった時代の語り部というか、こういう話をたくさんの方に知ってもらいたいと、いつも思っていたんですよね。だからこの本ができて、本当にうれしいです。

photo: Tomoko Hagimoto text: Akiko Yoshida

MEGUMIさん流「ゼロからイチ」を作り出すキャリア観

関連情報
  • 『なんだか今日もダメみたい』(筑摩書房)1,815円


    竹中直人 なんだか今日もダメみたい


    映画、舞台、音楽、テレビを横断する〈表現者・竹中直人〉を紐解く全編書き下ろし自伝的エッセー集。家族や学生時代のエピソードから俳優や音楽家との交流まで。

リンクを
コピーしました