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「今こそ綺麗な色で自己表現を!」新メイクアップクリエイティブディレクター、ヴィオレットが目指す「ゲラン」の未来

「ゲラン」の新メイクアップクリエイティブディレクターに就任したヴィオレット。起業家、インフルエンサー、そして一児の母としてマルチな才能を持つ彼女のインタビュー後編では、ゲランというブランドへの思い、コロナ禍を経てこれからの美容に求められるものについて聞いた

【インタビュー前編「「ゲラン」新メイクアップクリエイティブディレクター、ヴィオレットはインフルエンサーで起業家で一児の母」はこちら】


──子供のころから現在に至るまで、あなたの「ゲラン」に対する印象について教えてください。

VIOLETTE(以下、V)子供の頃は母や祖母がメイクアップテーブルの上にメテオリットやテラコッタのファンデーションを並べていた記憶があります。ゲランを付けることが大人の女性になる一歩だと考えていました。次に思春期の頃はよりフレグランスの印象が強くなり、私がアメリカに発つ頃にはフランスの遺産としての価値あるブランドだと認識していました。

そして今日、私はゲランを美容ブランドのオートクチュールだと考えています。それはまさに私がやりたかったことでもあり、今日でもメテオリットはハンドメイドで作られ、多くの職人技術と情熱が詰まったブランドなのです。

──あなたのクリエイションとキャリアを「ゲラン」でどのように生かしたいと考えていますか?

V よく歴史あるブランドの過去は古いものだと考える人もいますが、私はまったく違い、過去はむしろ豊かさの象徴でありDNAのある素晴らしい宝だと思っています。過去のアーカイブから現在のインスピレーションにも繋げられる。また私は来年38歳になりますが、20代と40代の中間にいるため両者の欲しいものがわかる世代でもあります。過去の遺産をうまく現在の感覚に落とし込むことができると確信しています。

──あなたの最初の「ゲラン」での仕事は今秋発売の「ルージュ ジェ ラグジュリアス ヴェルヴェット」ですか?

V 実は私がメゾンに来た際にはほぼこのリップの企画は終了していて、最初のサンプルが届く時に、どうか私の気に入るものでありますように! と祈っていました。そしてサンプルが届いて試すなり、その納得のテクスチャー、発色と持続力のよさに心からうれしくなりました。私がした最初の仕事はいくつかの新色のディレクションです。今日付けている色は880番なのですが、朝9時30分に塗ってから午後になってもまったく落ちず、唇が乾燥しないところが素晴らしいのですよ。

新色のディレクションを皮切りにゲランのクリエイティブディレクターとして本格始動したヴィオレット

──インスタグラムやYOUTUBEのチャンネルを持ち、より消費者に近い存在だと思いますが、コロナ禍で人々はどのようなものを美容に求めていると思いますか?

V 私たちは何ヵ月もマスクで顔半分を覆っていたわけですから、まず色が欲しい。綺麗な色の口紅やアイシャドーなどで、より自己表現をしたくなっています。そしてよりクオリティーの良いもの、原料や成分の処方の良いもの、環境に良いものを意識するように変わってきています。

そして何よりも、人々はより生きる喜びを感じたい、人生を祝福したいと考えるようになってきています。美しくなることは、つまり人生の喜びそのものなのですから!

Profile

須山佳子(聞き手・構成)

すやま けいこ marie claireパリ特派員。東京生まれ、パリ在住20年。大学を卒業後パリに渡り、INSTITUT FRANCAIS DE LA MODEでファッション経営のMBAを取得。ファッション界で働いた後、日本の美容とライフスタイルブランドを欧州市場へ紹介するコンサルティング会社と、ECサイトhttp://www.bijo.parisを立ち上げる。高級デパート「 ル・ボンマルシェ」に定期的に招待され、年に数回ポップアップを開催している。公式Instagram:http://@keikosuyama_paris

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