V 実は、どうしても自身のメイクブランドを作りたいという夢がありました。ただフランスは若き起業家にとって厳しい現状があり、また美しさに対する一定の定義が常に存在していることに限界を感じていました。美に対して多様性があり、私のインスピレーションの元でもある、そして何よりも若者のビジネスに理解があるアメリカの土地でブランド作りを挑戦したいと考えたのです。実際、私はフランス製の車ですが、ガソリンはアメリカ製と言ったところですね。(笑)
V 実はお声がけいただいた時はまさに自身のブランドを立ち上げたばかりで、両立は難しいのでは? と考えました。さらにコロナ禍で第一子を出産し、自分のブランドもスタートアップの段階、ラボはどこもコロナで閉まり、人に会えずすべてZOOMで会議をする中、クリエイティブで繊細な私はとてもそのような大役をお引き受けできる精神状況ではないと考えていたのです。しかし一方、フランス人として考えてみると、やはりこのような歴史あるブランドから声をかけていただいたことは大変名誉なことで、チャンスだと思いました。その後ゲランとブランドの過去と未来の話をたび重ねていくなかで、ではやってみよう! と決心がついたのです。
すやま けいこ marie claireパリ特派員。東京生まれ、パリ在住20年。大学を卒業後パリに渡り、INSTITUT FRANCAIS DE LA MODEでファッション経営のMBAを取得。ファッション界で働いた後、日本の美容とライフスタイルブランドを欧州市場へ紹介するコンサルティング会社と、ECサイトhttp://www.bijo.parisを立ち上げる。高級デパート「 ル・ボンマルシェ」に定期的に招待され、年に数回ポップアップを開催している。公式Instagram:http://@keikosuyama_paris