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フレグランスの楽しみ方、魅力を紹介するイベントが阪急うめだ本店で開催

マリ・クレール編集長、田居克人が月に1回、読者にお届けするメッセージ。コロナ禍でも好調な売り上げの伸びを見せたフレグランスの魅力を掘り下げ、多くの方に楽しんでいただこうと、5月1日、大阪の阪急うめだ本店で「HANKYU BEAUTY FRAGRANCE FESTIVAL2024」が開催されました。

個性的な香りのフレグランスにも注目が

フレグランスの売り上げが伸びています。

コロナ禍のため大きなダメージを受けた日本の化粧品業界は、消費者の外出機会増加により回復に向かっています。その中で顕著なのがフレグランスの伸びです。

欧米に比べると、日本でのフレグランス市場のシェアはまだまだ低いですが、コロナ禍以降は、自宅で過ごす時間も増えたこともあり、ホームフレグランスの需要も高まっています。

また日本では清潔感のあるフレッシュな香りが好まれていましたが、最近では洗練された大人っぽい香りの市場も生まれ、個性的なフレグランスを求める人もあらわれています。

また男性も普通に香水をつけるようになったことも大きく影響しています。

世界の香水市場規模は2023年には480億5000万ドルと評価され、2032年までに775億2000万ドルに成長すると予測されています(『FORTUNE BUSINESS INSIGHTS 2024年5月4日』)。

弊誌4月18日発行号でも紹介したのですが、ゴールデンウィークの5月1日から6日まで、大阪の阪急うめだ本店の9階にある祝祭広場で「HANKYU BEAUTY FRAGRANCE FESTIVAL2024」と題したイベントが開催されました。参加したフレグランスブランドは「ジバンシイ」、「ブルガリ」、「トム フォード ビューティ」、「ノンフィクション」、「ケンゾー パルファム」、「アーレス」、「ジョーマローン ロンドン」、「オドゥール ヨウジヤマモト」、「アールボウ」、「ラニュイ パルファン」、「クリスチャン ルブタン」、「クロエ アトリエ デ フルール」、「ゲラン」、「ドットール・ヴラニエス」、「ロエベ パルファム」、「ティファニー」、「サンタ・マリア・ノヴェッラ」、「ディプティック」の18ブランド。各ブランドが祝祭広場にブースを設け、来場する人たちにテイスティングや販売をしました。

HANKYU BEAUTY FRAGRANCE FESTIVAL 2024
会場には18ブランドが出店

このイベントの初日には、祝祭広場に設けられた特設ステージで、さまざまな角度からフレグランスの魅力を掘り下げようと、私がホストを務め、ゲストを招いてイベント紹介とフレグランスにまつわるトークイベントも開催されました。

ゲストは昨年、ご自身のフレグランス ブランド「La Nuit parfum」を立ち上げた海老原光宏さんとフレグランスに詳しいビューティ・ジャーナリストの木津由美子さん。当日、木津さんは「セルジュ・ルタンス」の“マタンルタンス ダンルブルーキペティーユ”、海老原さんは勿論自社の“ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番”、筆者は「エルメス」のトワレ“H24”をまとっていました。

HANKYU BEAUTY FRAGRANCE FESTIVAL 2024 
トークショーに参加した木津由美子さん、海老原光宏さん、筆者、MCのいがらしあみさん〈左から〉

特に印象に残ったお話を紹介します。フレグランスの需要が伸びたのは特にコロナ禍の時期と重なると言います。家で過ごす時間が増えたので、自分の好きな香りで部屋を満たしたい人や、リラックスするために良い香りをつけたい人が増えたのです。また自分自身の香りを持ちたいという人も増え、フレグランス業界ではニッチといえるジャンルの小さなフレグランス企業も注目を浴びることになったとか。

香りと脳とのいい関係がフレグランスの価値を生み出す

ゲストの木津さんは昨年コロナに感染し、その後嗅覚が非常に弱くなっていることに気が付きました。そのことを友人のパリの調香師フランシス・クルジャン(「メゾン フランシス クルジャン」創業者で2021年から「ディオール」のパフューム クリエイション ディレクター)に伝えました。すると彼は嗅覚回復キットを作り、送ってきたのです。木津さんは1週間近く嗅覚があまり働かなかったのですが、そのキットを使用したところ、回復し香水の香りがわかるようになったといいます(人によるのですべての人に効果があるわけではない)。クルジャンは「香料が脳を刺激してニューロンコネクションを再構築する」という理論をもとに、自分でそのプロセスを考え、キットを作ったそうです。キットと言っても5種の香料とムエット(試香紙)のみで、いかに香りが脳と直結し、刺激を与えるかの証明でもあると思います。

フランシス・クルジャン
フランシス・クルジャンが木津さんに送ったキット

「La Nuit parfum」の海老原さんはピアノを弾かれます。自分が弾いた曲を調香師に聞かせ、二人でいろいろディスカッションをしながら、香りを決めていくそうです。

フレグランスの用語は音楽用語と共通することが多いのですが(香りに使われるトップノート、ミドルノート、ラストノートのノートは音符の意味)、香りも音楽も形のないもの。目に見えないものなのです。

世界的に著名な音楽とコラボレーションしたパリの小規模フレグランス ブランド「Art Meets Art」を立ち上げたタンギー・ル・ボーさんは「フレグランスと音楽」、その必然的な出会いについて次のように語っています。「音楽も香りもそれぞれ身にまとった瞬間からエネルギーや自信を与えてくれます。気分に合わせて聴く音楽を選ぶように、フレグランスもプレイリストのような感覚で選んでみるのもいいのではないかと思います。音楽はとてもエモーショナルな世界です。アーティストは音楽を通して感情を表現し伝えます。それは香りも同じなのです。フレグランスの香りは、つける人の記憶や感情を呼び起こすのです。音楽とフレグランスというエモーショナルな二つの要素が出会ったら、素晴らしい価値を提供できるのではないでしょうか」(あの名曲が香水に——話題のニッチフレグランス「Art Meets Art」を生んだタンギーさんが語る

パリでは、自分の香りを持たない女性は一人前の女性ではないとさえ言われます。まだご自分の香りを見つけてないのでしたら、そろそろ見つけるころかもしれません。

2024年5月30日

HANKYU BEAUTY FRAGRANCE FESTIVAL 2024

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