ヨーロッパで人気の日本の美容法「KOBIDO」。専門の技術を教える学校も
「アカデミー・デ・フェイシャリスト」を立ち上げたデルフィーヌ・ラングロワ(写真左)とカトリーヌ・ブルジョワ @Sadaharu Hoshino
「KOBIDO」という言葉を耳にしたことはあるだろうか? 私たち日本人にはあまり馴染みのない言葉なのだが、「古美道」と書き、日本古来のエステ技術のことを指す。そして今、「KOBIDO」はフランスをはじめ欧州全土で美容トレンドになるほど人気なのだ。
美しいマダムの美の秘訣がここに
2020年、フランスでは「KOBIDO」の技術を習得できる「アカデミー・デ・ファシャリスト」が発足した。フランスでは初となるフェイシャリスト(エステティシャン、テラピストと異なり、一人ひとりの顔の筋肉、肌、表情に合わせてマッサージ技術と専門知識を持つ)の教育機関を立ち上げたのは、パラス(Palace=5つ星を超える最高級ホテルの称号)である「フォーシーズンズ ジョルジュ・サンク」のスパで、長年セラピストのスーパーバイザーを務め、現在は美容業界のインフルエンサーでもあるデルフィーヌ・ラングロワと、美容トレーナーとして25年のキャリアを持つカトリーヌ・ブルジョワだ。
デルフィーヌは「KOBIDO」との出会いをこう語る。 「10年前、ホテルのお客様の中で70歳なのにシワもたるみもほとんどない美しいマダムがいて、彼女に美の秘訣を聞き出しました。そこで初めて耳にしたのが、1日10分欠かさず行なっているというKOBIDO マッサージだったのです!その後、古美道の26代目家元である望月正吾氏がフランスで開催するトレーニングがあると聞きつけ、そのセミナーに参加したところ、カトリーヌと出会いました」
アカデミーでマッサージの指導を受けるスタッフ @Sadaharu Hoshino
カトリーヌは当時を振り返り、こう話す。 「セミナーでは写真撮影も一切禁止でテキストもなかったため、私たちは授業が終わるとすぐに2人で復習をしながら、習った技術をビデオに収めました。プロダクトを使用することを重視せず顔筋へ直接働きかけるマッサージ方法は、今までフランスで学んできたエステ技術とはまったく異なるもので、衝撃を受けました」
古美道の歴史は遡ること540年前、駿河(現在の静岡県)で2人のあんま師が「曲手」と呼ばれる、指で顔をパーカッションのように叩く特殊なマッサージ法であったと伝えられている。その後48の手技が生み出され、そこから1000を超えるテクニックへと発展していったという。筋肉のより深い部分に作用するエイジングケアに有効な技術なのだ。
アカデミーの内部。リラックスできる穏やかな空気が流れる @Sadaharu Hoshino
アカデミーではメインの「KOBIDO」を始め、「顔の解剖学」、「カッサを使用した技術」、「フェイスストレッチ」「フェイシャルデトックス」「リラックスマッサージ」の6つのコースがあり、既にエステの資格を持つレベルと初心者レベルに分かれ、オーダーメイドで授業を組み合わせることが可能。また「セルフマッサージ」のトレーニングもあり、人それぞれ違う顔の骨格や筋肉の付き方に応じたマッサージ方法と処方を出せるレベルにまで育てるそうだ。
ラ・スイート・デ・ファシャリスト用の施術ルーム @Sadaharu Hoshino
そして学校のディプロマを取得したプロのフェイシャリストによる施術が受けられる「ラ・スイート・デ・ファシャリスト」が今年1月、構内にオープンしたのも嬉しい。ディプロマを取り立ての若きフェイシャリストから、エキスパート、シニア、マスターまでの4段階のレベルから選ぶことができる。ちょっとお高いかもしれないが、創業者のデルフィーヌもしくはカトリーヌを指名することも可能。KOBIDOを始めあらゆる技術をミックスした完全オーダーメイドのフェイスマッサージは、今まで体験したことのない驚きの施術で、終わった後に一つ一つの筋肉が喜んでいることを実感する新感覚が味わえる。
沖縄の月桃を使用した「RUHAKU」のオーガニック化粧品も使用されているという世界が注目する日本の美容法。パリにお越しの際は、ぜひ体験してみてはいかが?
「RUHAKU」のオーガニック化粧品 @Sadaharu Hoshino
取材・文:須山佳子【関連記事】【パリ発】「ディオール」の歴史を回顧する美術館「ラ ギャラリー ディオール」がオープン 【関連記事】30分でも効果を実感、パリで話題のフェイスマッサージ・スタジオ「フェイス・カルト」 【関連記事】ベルサイユ宮殿の超豪華ホテルで、アラン・デュカス監修の絶品料理を味わう!