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公衆の面前でラブラブなカップルに、モヤモヤするのはなぜか?

Olga Kurbatova / iStock.com

ハリウッドセレブのカップルを見ていると、欧米では人前でオープンに愛情表現をするイメージを持つかもしれないが、一概にそうとは言えないようだ。「公の場での愛情表現」について、アメリカとフランスでは事情が違うという。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。

なぜ人前での愛情表現がそんなに気になるのだろうか

地下街で交わされる情熱的なキス、レストランのテーブルでの物憂げなふれあい、街角でささやかれる甘い言葉……。PDAまたは“Public Display of Affection”とも呼ばれる「公の場での愛情表現」は、私たちがプライベートな領域の外で始める、あるいは観察する、これらすべての優しいジェスチャーの総称である。それは紙の上ではとても素敵なことだが、しばしば眉をひそめ、視線をそらすようなことになる。しかし、なぜ私たちはそのような行為に悩まされ、あるいは嫌悪感さえ抱くのだろうか?

PDA。これは英語圏の人々が「Public Display of Affection」を表現するのに使う3文字である。

一見この言葉には引かれないかもしれないが、私たちはみんな実生活で経験したことがある。早朝の地下鉄で柵に寄りかかりながらむさぼるようにキスをするカップル、レストランのテーブルで並んで座って手を握り合う2人、通りすがりに甘い言葉をささやき合う恋人たち……。このような優しいジェスチャーを、傍観者として、あるいは当事者として、見たことがないという人はいないだろう。

しかし、私たちはしばしば、こういった愛と情熱を表現する行動に目を丸くする。「うんざりするわ。私たちはどこへ行っても、口の中で舌が渦を巻くダンスを目撃する必要はない。みんな、世界に自分たちだけだと思っているのよ!」と26歳のMarine(マリーヌ)は言う。

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彼女のような若い女性の多くは、プライベートな領域にまで波及するこうした愛情表現を冷ややかに見ている。アメリカのタブロイド紙の記事においては、俳優ミーガン・フォックスと、その元婚約者でラッパーのマシン・ガン・ケリーのカップルとしての「評判」の大部分は、この傾向に基づいていた(このカップルは2022年1月に婚約したが、2024年3月、いったん婚約を解消したと公表している ※編集部注)。『PEOPLE』誌は、そのカップル写真の見出しで、「レッドカーペットでの2人の焼け付くようなPDA」と称賛しているほどだ……。それは、そうしたい(もしくはそうしたくない)気持ちにさせる。

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しかし、なぜPDAがこれほど話題になっているのだろうか?

なぜ白昼堂々と自分たちの愛を見せるのか?

他人が人前で見せる愛情表現から目をそむけたくなるメカニズムを読み解く前に、まず、なぜ多くの人が、家の外で気だるいキスや愛撫にふけるのかを理解する必要がある。

第一に、初恋の年齢、あるいは一般的な恋愛関係の最初の数時間は、相手に触れたいという絶え間ない欲求で説明がつく。私たちはみんな、恋に落ちると体(そして心)が変化することを知っている。オキシトシンを主成分とするホルモンは、ハネムーン期(つまり、カップルが交際を始めてから最初の3か月)の間、愛する人以外を見たり、考えたりできなくなる。

お互いの体についてよく知ろうとしている時期に、少しも近づかないようにするのは人前であっても難しい。特に、「私たちは幸せなときには、夢中になっているもの、この場合はパートナーを見せびらかしたいものです!」と、米サイト『Refinery 29』の取材に応じたオーストラリアのカップルコーチMegan Luscombe(ミーガン・ラスコム)は同意している。

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人間関係を専門とするフランスの心理学者Véronique Kohn(ヴェロニク・コーン)もこの観察を認めている。

「多くの場合、私たちはその必要性に気づいていません。恋人たちは世界で自分たちだけだと感じていると言われますが、それはある程度事実です。性格にもよりますが、恋愛にのめり込み、他人の目を気にしなくなることもあります。そして、愛する人と一緒にいることをどれだけ誇りに思っているかを強調する必要があるのです。街中で一緒に立っているだけでなく、SNSでアピールすることも必要です。特に最近は、目立ちたがり屋が多いですから」

嫌悪感といらだちの裏には、ある種の嫉妬がある

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専門家によれば、白昼堂々と愛情表現を見せているカップルに嫌悪感を抱くのには、さまざまな理由があるという。

独身女性のMarine(マリーヌ)は、ラブラブカップルが抱き合っているのを目撃しても「嫉妬はしない」と主張するが、先述の心理学者は、嫌悪感の裏には嫉妬があるのではないかと言う。

「結局のところ、私たちは自分が最も望んでいるもの、しかし自分に欠けているものを他人のせいにすることになります。失恋したり、なかなか相手が見つからなかったりすることを乗り切ろうとするとき、自分にないものを羨ましく思うことはあっても、それが当たり前だとは思わないものです」

文化的な慎み深さを、他者にも転嫁してしまう

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嫉妬に加え、ある種の反応は、私たちの生い立ちや文化、宗教に直接起因することもある。

32歳のVanessa(ヴァネッサ)は、「家の外で愛し合っていることを見せるのは不適切」だとする男性と8年近く暮らしていた。彼女は自分の家族といるときも、公共の場でも、元カレとはよくしていた「キスをしたり、手をつないだりするような」、ある種の優しいジェスチャーを控えていたという。

「私たちはあまりにも感情を表に出さないので、2人はまるで同居人みたいだと言われました」と彼女は振り返る。当初はそういった周りからのコメントに傷ついたそうだが、関係が終わった後もまだ、その「慎ましさ」をいくらか保っていることを彼女は認めている。「結局のところ、それは親密な問題なのです」

「多くの文化では、単にそういうことをしません。また、セクシュアリティがいまだにタブー視されている家庭もあり、カップルとしてであれ、外の世界に対する見方であれ、その考えに納得できる関係を築くのは難しい。それは内なるルールのようなものです」と心理学者は説明する。

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感情のブロックは、相手を傷つけることも

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最後に、このような気恥ずかしさは、感情の表し方にも起因することがある。感情をあまり表に出さなかったり、深く関与することを恐れていたりする人たちは、人前で自分たちを見せることが、2人の関係を正式にすることと同義だと思っているかもしれないが、仲の良いカップルや、プライベートな領域以外で愛情を求めているパートナーにイライラすることもある。

26歳のPablo(パブロ)がそうだ。「人がキスしているのを見たりするのは気にならないけど、自分がそうするためには、周りの視線や発言を無視できるようにならないといけないと言い聞かせています。ほとんど『外聞をはばからない』ということは、私にはあてはまりません。それは単に控えめでありたいからです」と打ち明けている。

この場合、PDAに慣れている相手が拒絶されたと感じないように、付き合い始めの段階から、このことについて話し合っておくことをおすすめする。

「たとえその話題について、同じ価値観を持っていなくても、誰かと交際することはできます」と心理学者は安心させてくれる。「でも、波長は同じでなければいけません。路上や友人の前でキスをしないのは、恥ずかしいからでも、相手と同じくらい愛していないからでもなく、そういうことは気づまりだし、控えめな性格だからです」

もっと稀(まれ)なことだが、これらの行為に関連した特に強烈な不快感は、埋もれたトラウマの兆候という可能性もある。この場合は、心理学の専門家に相談することをおすすめする。

それ以外のすべての場合において、最も重要なことは、公衆の面前でキスをしたいのか、それとも自宅でプライバシーを守ってキスをしたいのか、お互いの話に耳を傾け、お互いの同意を尊重しながら、なんとかうまくやっていくことである。

テイラー・スウィフト、トラヴィス・ケルシー、スーパーボール、NFL
現在、NFL選手トラヴィス・ケルシーとオープンに交際しているテイラー・スウィフト。その前に約6年間交際していた俳優ジョー・アルウィンは控えめな性格で、2人の関係を公にすることを好まなかったという。Photo: Ezra Shaw / Getty Images

translation & adaptation: Akiko Eguchi

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