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竹中直人×MEGUMIが語る「生々しくて愛おしい。人間味あふれる名優たち」

俳優のほか映画監督や画家などマルチな才能を放つ竹中直人さんが、自身で書き下ろしたエッセー『なんだか今日もダメみたい』の刊行記念トークショーを行った。スペシャルゲストとして登壇したのは、プロデューサーとしての手腕も発揮するなど多方面での活躍が目覚ましいMEGUMIさん。「飲み仲間」と語る、ふたりの関係性とは?

「私、お金集めます!」MEGUMIが映画プロデューサーになったわけ

MEGUMI

――竹中直人さんが監督した映画『零落』(2023年3月公開)に、初めて映画プロデューサーとして参加したMEGUMIさん。監督とプロデューサーという裏方のタッグを組むことになったきっかけは、お酒を飲んでいたときの会話からだという。

竹中直人さん(以下、敬称略):浅野いにおさんの漫画が大好きで、落ちぶれるという意味なんですが、『零落』という本のタイトルがとても好きだったんです。本屋さんで手に取った瞬間に「映画にしたい!」と思ったの。

それで斎藤工とご飯を食べた時に、「竹中さん、なにか今準備している映画はあるんですか?」と聞かれて「今、浅野いにおさんの『零落』を映画にしたいんだよね」と言ったら、工が「僕、読んでます。大好きです」と。「え? じゃあ主人公の深澤やる?」と聞いたら、「やりたいです!」と言ってくれたところから始まったんだよね。

MEGUMIさん(以下、敬称略):工さんも好きだったんですか! もう、めちゃくちゃ(役に)ハマっていましたよね。

竹中:(原作者の)いにおさんにも、さんざん「こうしたい、ああしたい」とメールや電話して。MEGUMIも酔っぱらった勢いで、プロデューサーやるって言ってくれたんでしょ?

MEGUMI:酔っぱらった勢いじゃないですよ(笑)。プロデューサーなんてほとんどやったことがないタイミングでしたが、一緒にお酒を飲んでいる時に「やってくれないか」とお声がけいただいて。もう、うれしくてですね、「お金集めます!」と。まあ、少しはお酒も入っていたのかな。それで一緒に作れたのは、本当に楽しかったですね。

竹中:楽しかったね。あっという間の撮影だったけど。大好きな作品だったから、台本が頭の中に入っていて、現場で台本いらなかったんだよね。

MEGUMI:竹中さんは、全く台本見ないんですよね。すでに一度撮ったのでは?と思うくらい、選択が早いんですよ。あの迷いのなさは、一体どうしてなんですか?

竹中:多摩美術大時代に8ミリ映画を作るようになってから、構図を決めて撮るのがとても好きだったんですよ。「このアングルでこの人を撮る」と決めたら、そのアングルでしか撮らない。保険カットを撮らないから、早いっていうのはあるかもね。

MEGUMI:確かに。「やっぱり一応これも……」というのが、竹中さんはないですよね。

竹中:一瞬を切り取る仕事だと思うから。あまりテストも繰り返さずに、いきなり本番という時もあったしね。だから早かったのかもしれないけど。

MEGUMI:しりあがり寿さんのように漫画家の方とか、ミュージシャンの方とか来てくださっているんですけど、しりあがりさんとかにもしっかり演出するんですよね(笑)。「もう少し大きくやってくんないかな」みたいな。

竹中:やっぱり芝居に慣れている人じゃない人の方が、演出するのが面白いんですよね。

MEGUMI:追い込まれた顔をしていましたよ、しりあがりさん(笑)。

竹中:しりあがりさんは漫画家だから、漫画の原稿を大事に持っちゃうんだよね。でも売れない漫画を非難するシーンだから「しりあがりさん、もっと原稿を乱暴に置いて!」と、何度も演出しました(笑)。

関連情報
  • 『なんだか今日もダメみたい』(筑摩書房)1,815円


    竹中直人 なんだか今日もダメみたい


    映画、舞台、音楽、テレビを横断する〈表現者・竹中直人〉を紐解く全編書き下ろし自伝的エッセー集。家族や学生時代のエピソードから俳優や音楽家との交流まで。

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