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【鹿島茂と猫のグリの「フランス舶来もの語り」】湯たんぽでわかる階級社会の序列

持ち運ぶには”荷が重い”

ただし、それは日本の湯たんぽの無骨(ぶこつ)なイメージからはほど遠く、巧妙にカムフラージュされているので、蚤の市あたりで知らない人が見つけても何に使う道具かわからない。なかには、エレガントな足乗せの中に収納されるようになっているものもある。おそらく冷え性の女性のために開発されたものなのだろう。

湯たんぽ bouillotte
イラスト◎岸リューリ

だが、昔、湯たんぽを使ったことのある人ならすぐにわかるだろうが、お湯をたっぷりと入れた湯たんぽというものは思っているよりもはるかに重い。あんなに重いものを優雅に着飾った貴婦人が抱えて旅をしたのだろうか?

ご心配は無用。なぜなら、当時は旅する貴婦人には下僕(げぼく)かメイドが付き従っていたので、重いものは皆これらの使用人が持ったからである。もちろん、貧しい人は重い湯たんぽを荷物と一緒に運ぶか、さもなければ寒さに震えているしかなかった。

湯たんぽのようなものにも階級社会の厳しさが現われているのである。

【グリの追伸】クッキーやチョコレートの詰め合わせをいただくと、必ずその後、首のまわりにリボンがつくのです。

グリ 鹿島茂 シャルトリュー
ストーブの前でポーズ!

photo by Shigeru Kashima

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Profile

鹿島茂

かしましげる 1949年横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。
1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ案内』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。
膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「ALL REVIEWS」を主宰。

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