フレデリック・カッセルが教えてくれた美味しさのサイズ【藤﨑聡子のémoi style】
ワインジャーナリスト藤﨑聡子さんの「émoi style(エモワ スタイル)」、第8回はフレデリック・カッセルの焼き菓子を紹介する。香り高いバターをたっぷり使用しているメニューは、フランス本店と同じレシピ。一口含めば、フランスを旅しているような気分になれる。
ワインジャーナリスト藤﨑聡子さんの「émoi style(エモワ スタイル)」、第8回はフレデリック・カッセルの焼き菓子を紹介する。香り高いバターをたっぷり使用しているメニューは、フランス本店と同じレシピ。一口含めば、フランスを旅しているような気分になれる。
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藤﨑さんは、大切な人たちにおいしさを届けるときは、必ず自分の舌で吟味する。相手に渡すときには、おいしさの秘密を説明するメッセージを添えることで、その一品が特別なものになるからだという。今回、自分へのご褒美としてもたびたび購入する、スイーツギフトとは?
私がスイーツ系を選ぶときには、外せない条件がある。それは、「小さいもの」「小分けになっているもの」「一口で完結するもの」である。そもそも、あまり甘いものを欲しないので、「あぁ、少し食べたいな」と思ったときに、簡単に味わえるものがよいためだ。

今回紹介する一つ目のスイーツは、まさに理想のサイズといえる。この一品を知ることになったきっかけは、フランス在住の友人の言葉。 「ねぇ、フレデリック・カッセルって知っている? 香り高い焼き菓子系を作っている人でね、日本でも購入できるようになったみたい。絶対食べてみて」と教えてもらったのだ。フランス出張が多い時期だったが、このパティシエのものは食べたことがなかった。そうなのか、香りがよいのか、焼き菓子だからバターって大事だよな、バターは大好きだしすごく興味があるな、と自分なりのロジックで味わいの妄想をしていた。そんなことを思いながら、偶然見つけた焼き菓子がこちらだった。誰が作っている、とかどこのブランド、とか行列&有名、とか全く関係なく、「サイズ」。この一択で悩むことなく購入したのである。
一口食べてみて、思わず天を仰いだ。神様、このフィナンシェに出会わせてくれて本当にありがとう。私はこれを待っていたのです、と。そのくらい感動した。焼き菓子、といったら片っ端からフィナンシェを選択する身にとって、このフィナンシェは理想中の理想。しつこく言っているが「サイズ」、そして「香り」、そして「品の良い甘さ」、極めつけに「しっとり感」。しかもこのアイテムはマドレーヌも入っている。フィナンシェと同じサイズ。フィナンシェとマドレーヌのハーフ&ハーフとは! かゆいところに手が届く、とはこのようなことである。後でパッケージをみて驚いた。このパティシエが、友人が話していたフレデリック・カッセルだったのだ。勝手に運命を感じてしまった。

このミニマドレーヌ&ミニフィナンシェを知ってから、ことあるごとにこのパティスリーをのぞいている。ショップは百貨店にもあるので、急に手土産が必要になった緊急事態のときにはまずこちらへ行く。この美味しさを知っているから、ギフトとしてどれを選んでも喜んでもらえる自信がある。フレデリック・カッセルのメニュー、ほとんど試している中で、夢があってフランス文化のセンスを感じられ、優しい気持ちになれるな、と思うのが「ボワット・グルマン」。チャーミングなパッケージデザインも贈り物にふさわしいといえる。

どのような味わいなのかは、缶の中にスイーツの説明が入っているのでさらに楽しめる。ちなみボワット・グルマンとは食いしん坊の宝箱、という意味と理解している。ボワット=箱、グルマン=食いしん坊(フランス語)だから。玉手箱、と言ってもよいかも。
もうひとつの玉手箱は「ベリフォンタン」。ベリフォンタンとは「フォンテーヌブローの人」を意味している。フレデリック・カッセルの本店がある場所がフォンテーヌブロー、ということにつながっているのだなと思う。

フレデリック・カッセル氏は、「フランス本店と同じレシピで作ったお菓子を通して、フランスを旅するような気分になってくれたらという想(おも)いを込めています」と語る。彼のお菓子に共通するのは、見た目、味、香り、食感と五感をワクワクさせてくれる点。このデザイン缶は自分用のご褒美として購入するのもアリだなと思う。そして思うこと。日本にいてもフランスと同じ味わいを楽しめるって本当に幸せだな、と。
text: Satoko Fujisaki
・韓国を旅するなら欲張ってはいけない【藤﨑聡子のémoi style】
・グランド ハイアット 東京の気軽でひらめきのある手土産【藤﨑聡子のémoi style】
フレデリック・カッセル銀座三越店
東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越 本館地下2階
tel: 03-3562-1111(大代表)
フレデリック・カッセル 経堂アトリエ店
東京都世田谷区経堂4-12-12
tel:03-6413-7439
藤﨑聡子

ワインジャーナリスト・撮影構成ディレクター。世界中の食とワインのペアリングについて編集者歴25年以上ならではの目線で追求し続けている。わかりやすい言葉を綴(つづ)ることで長年のファンが多い。SM Entertainmentグループの韓国を中心としたカルチャー情報サイト・PIVImではスーパーバイザーとしても活躍中。
韓国情報⇒pivim.jp
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