河村真木子のリアル人生相談 第1回:転職で失敗しない方法
2023.5.31
2023.5.31
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――今の仕事を続けていて市場価値のある人間になれるか分からず不安です。(鉄鋼系商社勤務/27歳女性)
市場価値は社外と社内で違いますが、判断の仕方は、自分と同じようなスキルをもつ人が何人いるか、自分の経験がどれくらいレアかを考えるといいですね。需要が大きく、他の人では代替できないスキルや経験をもつ人の方が年収を上げられることが多いんです。
自分にはどのくらいのコンペティブネス(競争力)があるかなどを測って、それが今いる職場で伸ばせるのであれば続けるといいと思います。
でも例えば、情報も自分に集まってこない、スキルも上がらない、自分と同じ仕事をしてる人もたくさんいる、ここにいても自分の価値が全然上がらないということでしたら、もっと視野を広げてもいいでしょうね。
――自分で市場価値を高めるためにはどうしたらいいのでしょうか?
業界によって違うとは思いますが、転職して自分の市場価値がとても高くなるならいいですが、そういうことでもないのであれば、社内でのし上がっていく方が良さそうですね。
その会社内で市場価値を上げようとした場合、また違う戦略になります。上司や部下、部署を超えていろんなネットワークを作ったり、社内にどんな仕事があるのか、どんどん自分で学んでいくといいですね。任された仕事だけをしない、ということです。
他の部署もよく見て、どこにチャンスや上に上がれる場所があるかを探していく。そしてそういう部署のキーパーソンとつながるのがポイントです。
――河村さん自身は自分のキャリアについて周囲にアドバイスをもらうことはありましたか? どのような人からアドバイスをもらうと良いと思いますか?
私の場合は、仕事はできる自信があったのに、その環境を与えてもらえないことが、一番悔しいと感じるところだったんです。自分が若すぎたり、女性だったりなどで「まだ早い」と言われることが多くて。
そんなときは女性の先輩に相談していました。社内で発言力のある女性の先輩に「彼女は仕事できるよ」と言ってもらい、引き上げてもらいました。それがまさにロールモデルのセオリーなんですけど、女性の上司であれば「私もできたんだからこの人もできる」と思ってもらえます。
女性は社会において勝手に過小評価されやすいんです。固定概念や見た目で「まだ部長は早い」「何かできるわけない」と思われたり、「この仕事はまだ彼女に任せられない」といった具合に。そのため、女性には仕事が回ってこなかったり、アシスタントのように扱われたりしてしまうんです。だから私は、自分から積極的に仕事を取りに行くことをしていました。
――相談する相手は男性の先輩や上司でもいいのでしょうか?
男性でももちろんいいのですが、日本人の男性には「なんか可愛い女の子が来た」くらいに見られて、相談にのってるようでのってない、みたいなことがありました。女性の部下に仕事を教えてその成果を自分のものにする、ということもよく聞きます。
私は外資系企業にいてトップは外国人だったので、外国人か女性の上司に相談していました。外国人は女性と仕事することに慣れているので理解してもらえますが、外資系企業にいても日本の男性は話が通用しない人がほとんど。私がいくら「できる」と言っても、信じてくれない日本人の男性はいっぱいいましたよ(笑)
――なぜ日本人の男性には、仕事ができないと思われてしまうのでしょうか?
見たことがないだけだと思います。日本人の男性は女性の成功例をあまり見たことがなく、総合職の女性やバリキャリ女子と仕事することに慣れていないんです。
日本では一度も女性首相が生まれていないから、もし誕生したらみんなちょっと不安になると思うんです、「この人本当にできるのかな」って。それと同じことが会社の中で起きているんです。
photo: Tomoko Hagimoto
hair & make-up: Naoki Saito(MAISON CINQ)
text: Tomoko Komiyama
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河村真木子(かわむら・まきこ)
1976年、奈良県生まれ。高校3年生の春にロサンゼルスの高校へ転入を決意。帰国後、関西学院大学に入学するも自主退学し、UCバークレー校に進学。卒業後は米系投資銀行に就職。2度の転職を経て、2021年8月にオンラインサロン「Holland Village Private Salon」の運営者となる。2022年10月には初の書籍『超フレキシブル人生論“当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』を出版するなど多岐に渡り活躍。
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