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エリザベス女王を支える小さなロイヤルファミリー、愛犬コーギーの存在

©️Anwar Hussein / Getty Images

エリザベス女王が即位して以来、いつもその傍で彼女を支えてきたのは先ごろ亡くなったフィリップ殿下だけではなかった。バッキンガム宮殿で、そして休暇先のお城で、女王とともにいつも過ごしている愛犬、コーギーたちのエピソードを紹介。

エリザベス女王と言えば、コーギー!

エリザベス女王は、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークという犬種が大好きで、これまで30頭以上のコーギーを飼っていたと言われている。1933年、女王が7歳の時に初代のコーギーを迎えて以来、この犬種一筋で、歴代の愛犬たちに無償の愛を注いでいる。

エリザベス女王の傍には、いつも愛くるしいコーギーの姿が。女王を見つめるその眼差しは、家族そのもの。©️Bettmann / Getty Images

女王の写真の数々に映り込むコーギーたちは、英国・ウェールズ地方原産の足の短い牧羊犬。女王の長年の寵愛のおかげか、その存在は世界中に広まり、今では日本でもよく見かける人気犬種の一つだ。中でも、女王18歳の誕生日に生まれたスーザンという名の雌犬は特別で、彼女の血筋を引く子犬たちを繁殖させ、大切に育ててきた。スーザンの他にも、モンティ、ホリー、エマ、リネット、ノーブル、ウィロー、ヘザーなど、英国らしい伝統的な名前を付けられた子たちが多い中、時折、キャンディやシュガー、シェリーやビスト・オクソ(イギリスの有名な食品の商品名‼︎)など、変化球気味の名前もちらほら。中には、1959年に『The Australian Women’s Weekly』誌の6月号の表紙を飾った子もいて、常にメディアの注目を集めるロイヤルファミリーの一員となっている。前回のロンドンオリンピックの開会式で放映されたジェームス・ボンドが女王とともに出演するショートムービーにも、モンティとウィロー、ホリーが登場し、世界にその堂々たる姿を披露した。

大勢の犬たちは、まさに“動く絨毯”

一時期は、一度に13頭ものコーギーを飼っていた女王。宮殿の中を一緒に移動する女王とたくさんの犬の様子をダイアナ元妃は“動く絨毯”と呼んでいたとの逸話が残っているほどだ。もちろん、王室の犬たちは、バッキンガム宮殿でリッチな生活を送っているそうで、彼らの宮殿での拠点は、通称「コーギー・ルーム」。隙間風を避けるために高さのあるバスケットの中で眠り、女王が直々にお世話をしているのだとか。食事(牛肉からウサギまで)は、お抱えのシェフが調理し、クリスマスには女王自ら、各自にプレゼント入りの靴下を用意する。その中には、おもちゃやビスケットが入っているのだそう。

女王の公務や休暇に同行して王室専用機で移動するのもコーギーたちの日常。タラップを軽やかに降りる姿にロイヤルドッグの風格が漂う⁉︎ ©️David Dyson/Camera Press / Aflo

しかしながら、2015年でコーギーの繁殖はやめたと話した女王。それは、新しく生まれてくる子犬が自分より長く生きることになるのが心配だからだという。ホリーとウィローが亡くなってから女王が迎えたダックスフンドとコーギーのミックス犬であるドーギーのバルカンも昨年末、亡くなってしまった。そして今年3月、次男のアンドルー王子が新たにドーギーの子犬2匹を女王にプレゼント。ところが、5月には、そのうちの1匹も急死した。95歳になった女王が今一緒に暮らすのは、ドーギーのキャンディとミックの2頭だけになってしまった。まだまだ幼いミックのために、遊び相手の子犬を探しているとの情報も。

フィリップ殿下がこの世を去り、ヘンリー王子も王室を離脱した今こそ、女王には犬たちの癒しが必要なのかもしれない。

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  • This article was published on marieclaire.co.uk


    text: Jenny Proudfoot


    translation: Tomoko Kawakami


     

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