×
'©︎Norwegian Handball Federation/Aflo  ©︎Press Association/Aflo'

Feature

©︎Norwegian Handball Federation/Aflo ©︎Press Association/Aflo

東京2020オリンピックで改めて注目、なぜ女性アスリートは服装を非難されるのか?

毎日、熱戦が繰り広げられている東京2020オリンピック競技大会。数々の新記録が打ち立てられ、日々、新しいスターが誕生する。そんな中、女性アスリートたちの服装を巡る論議が世界中で話題に。「なぜ女性のオリンピアンは、自らが快適なウェアで試合に臨むことができないのか?」女性選手を縛る古めかしいルールに異議を唱える人々が続出!

ビキニ着用拒否で罰金を命じられた女子ビーチハンドボールのノルウェー代表。©️Norwegian Handball Federation /Abaca/Aflo

立ち上がった勇敢なノルウェー女子チーム

東京オリンピックが後半戦を迎え、日本はもちろん、世界中の女性アスリートが大活躍している。この東京大会が始まってから、女性選手たちが着用する競技用ウェアについて論争が起こり、大きな関心を集めている。

ノルウェーの女子ビーチハンドボールチームがビキニボトムでの試合出場を拒み、ショートパンツでプレイしたことで罰金を命じられたニュースは記憶にも新しいはず。彼女たちに罰金、1300ポンド(日本円で約20,000円)を科した欧州ハンドボール連盟は、「彼女たちの服装は“不適切”であり、“ビーチハンドボール競技規定に定められた競技者ユニフォームに準じていない」と指摘。

この不条理なニュースを受け、米国の人気シンガーのP!nk(ピンク)は、SNSを通じてノルウェーチームへの支援を発表し、罰金を負担することを申し出た。「ノルウェー女子ハンドボールチームが自分たちの“ユニフォーム”に関するとても差別的ルールに抗議したことを誇りに思います。欧州ハンドボール連盟は、この性差別に対して罰金を科せられるべきだと思う。いいぞ、女性たち!私は喜んであなたたちの罰金を支払います。これからも頑張って!」とツイートした。

古いドレスコードが女性の活躍を阻むことなきよう

残念なことに女性アスリートを境地に追い込む、古めかしいユニフォーム規定にまつわる事柄は、これだけではない。女子ビーチハンドボールチームのショートパンツが認められない一方で、パラリンピックで2度ほど世界チャンピオンに輝いているイギリスの陸上選手、オリビア・ブリーンは競技用ショーツが短過ぎて不適切と女性審判から指摘された。「Sky News」の取材を受けたブリーンは、「若い女の子たちから、たくさんのメッセージをもらいました。私と同じことが彼女たちにも起きているのです。これは本当に間違ったことだと思う」と答えている。

東京2020パラリンピックに陸上競技で参加予定のオリビア・ブリーン。写真は2017年の世界パラ陸上競技選手権に参加した時のもの。©️Press Association/Aflo

さらにマラソンスイミングのイギリス代表選手、アリス・デアリングは毛量が多いアフロヘアに合わせた水泳帽について「そのように大きな帽子は不適切なので認められない」と言及された。なぜ黒人女性のアスリートは、髪を十分に覆う水泳帽を被ってはいけないのか?と疑問を感じる人も多いだろう。国際水泳連盟(FINA)がアフロヘア用のキャップの使用を禁止したことは、この規制がいかに時代遅れであるかを浮き彫りにしている。ただ、その後、批判を受けたFINAは、「再検討している」と表明した。

マラソンスイミングのイギリス代表選手、アリス・デアリング。8月5日にお台場の海で行われるマラソンスイミングに参加する。©︎Clive Rose/Getty Images

今年のオリンピックでは、これまで以上の多くの女性アスリートが出場しており、全体の49%が女性選手だ。それにも関わらず、時代遅れの、時には非公式なオリンピックの伝統的なドレスコートが女性たちを不利な立場に追い込んでいる。各競技の公式な委員会が定めたドレスコートはどれも曖昧で不明瞭な表現が並び、実際にはどのような競技ウェアが適正なのかを知ることも難しいのが現状だ。

実は、この女性アスリートのドレスコードについては、2011年のロンドン大会の際にも論議が繰り広げられた。あれから10年、何も変わらないのはなぜだろう?大手スポーツブランドからは、ムスリムの女性が頭髪を覆う布、ヒジャブのスポーツ用が発売され、アフロヘア用の水泳帽を扱うブランドも登場しているというのに。

ただ、今回の東京オリンピックでは新しい動きもあった。ドイツ女子体操チームが従来のレオタードではなく、脚を覆うユニタードを着て試合に正式参加。性差別的なユニフォームや女性アスリートへの性的被害の問題について一石を投じるきっかけになった。

時代遅れの性差別に縛られ、文化的でない規則が女性アスリートの可能性を妨げない世界となることを願う。

関連情報
  • This article was published on marieclaire.co.uk


    text: Ally Head


    translation: Tomoko Kawakami


     

Recommend

Pick Up

リンクを
コピーしました