「ダミアーニ」ジェローム・ファヴィエCEOが語る、ブランドの現在地と目指すもの
ダミアーニ・グループCEOジェローム・ファヴィエ氏(スイス・ジュネーブで)
ダミアーニはイタリアを代表するハイジュエリーブランドの一つだ。ジェローム・ファヴィエCEO(最高経営責任者)がインタビューに応え、創業101年目を迎えたブランドの現在地や、現在手がけているプロジェクトへの思いを語った。
ダミアーニ・グループCEOジェローム・ファヴィエ氏(スイス・ジュネーブで)
ダミアーニはイタリアを代表するハイジュエリーブランドの一つだ。ジェローム・ファヴィエCEO(最高経営責任者)がインタビューに応え、創業101年目を迎えたブランドの現在地や、現在手がけているプロジェクトへの思いを語った。
1924年に熟練した金細工職人が集まる街、イタリア・ヴァレンツァに誕生したダミアーニは、家族経営のブランドだ。創業ファミリー3代目である長男のグィド・ダミアーニ氏がグループ社長を、長女のシルヴィア・ダミアーニ氏が広報全般とイメージ戦略の統括を、次男のジョルジョ・ダミアーニ氏が原石の買い付けとデザインを担う。経営面でファミリーを支えているのがジェローム・ファヴィエCEOだ。
<創業100周年イヤーとなった2024年、100点もの希少な新作ハイジュエリー作品を生み出し、世界を巡回するプロジェクト「Damiani 100 x 100 Italiani」展を成功させた>
100周年記念事業を通じて世界中のお客様に見ていただきたかったのは、ダミアーニが持つ真の価値です。ハイジュエリー作品には、希少な石の数々を取り入れました。例えば、アレキサンドライト。世界中の鉱山から宝石を探し求めるジョルジョと比べると私は無知ですから、何が素晴らしいのか彼に尋ねました。すると彼から返ってきたのは「50年以上のキャリアの中でも、これほどユニークなアレキサンドライトは見たことがない」という言葉。それを聞いて私はその石の購入を決め、特別なデザインの中に閉じ込めました。一つひとつの作品には、彼の感情や情熱によって、物語が込められています。
デザインについて言えば、創業家ファミリーがデザインを手がけるというのは、実は貴重なことです。ファッション業界では数年でデザイナーが変わってしまうことも、しばしばありますよね。プロセスのすべてに個性が宿っているダミアーニの作品は、ジュエリー製品の域を超えた、純粋な創作の成果なのです。「本物」を求めるお客様のニーズに応えることができると確信しています。

<一部の高級ブランドで成長の減速が見られる中、ダミアーニ・グループの2024年連結売上高は前年比10%超となる成長を見せた>
あらゆるブランドがジュエリー事業を強化していることからもわかるように、ジュエリー市場には将来性があると見ています。しかし、お客様の期待に応えるには、真に素晴らしいものを作り続けることが重要です。最高の品質を実現するには職人技が不可欠で、本拠地であるヴァレンツァの職人たちが大いに貢献しています。
ブランドは規模が大きければいいというものではありません。巨大なブティックを築くことやロゴを輝かせることは重要ではありません。私たちは、「真のラグジュアリー」であり続けながら、お客様に親しみを持っていただけるような規模を保っています。ストーリーを作り出す必要もなければ、大げさに伝える必要もありません。真実の物語をただそのままに語るだけでいいのです。私たちのチームはそれをやってきました。その取り組みがブランドの成長につながっていると信じています。
<日本でもダミアーニの知名度は高い>
ダミアーニの名前は日本でもよく知られていますが、ほんの一部しか知られていないことが課題です。日本では「ベル エポック」コレクションの人気が高かったため、そのイメージで語られてしまうことが多くあります。ダミアーニには、「ミモザ」「マルゲリータ」などのコレクションもあれば、ハイジュエリーも、ブライダル向けのジュエリーも広く展開しています。もちろん、歴史も、職人技も、専門知識もあります。「ダミアーニ360°」が本来の姿だとすれば、「ダミアーニ25°」しか知られないのは、本当に残念なことです。だからこそ日本は私たちにとって今後最も重要な国であり、もっと日本のお客様とつながっていきたいと考えています。伝えたい物語がたくさんあります。興味を持って本を開いてくれた日本の方に、1ページ1ページ、ダミアーニの隠された物語を伝えていきたいのです。
<ダミアーニは新しいストアコンセプトを発表した>
現在注力しているのが、この改装プロジェクトです。温かみのある色使いだけでなく、大理石、レザー、布地などあらゆる要素にイタリアの高級素材を使います。すべてがメイド・イン・イタリー。お店に来れば、イタリアの卓越性を感じるでしょう。私はフランス人ですが、「ほぼイタリア人」です。イタリアを愛し、イタリアのスタイル、雰囲気、食べ物、人々、すべてに感謝しています。
この新しいストアコンセプトは世界の10以上のブティックですでに展開しており、日本でも近々お目見えします。ブランドイメージを変えたいのではなく、ダミアーニが何者であるのかをもっとよく伝えたいのです。私たちは家にいるような心地よさを感じるお店づくりを目指しています。家族のように温かく迎え入れます。ダミアーニは家族経営のブランドであり、それがアイデンティティなのですから。

interview & text: Shunya Namba @Paris Office
・ダミアーニ、ミラノの新店舗でストアコンセプトを披露
・ダミアーニ100周年を祝うキャンペーンに、オスカー女優のジェシカ・チャステインが登場
・イタリアの名門ジュエラー「ダミアーニ」。100年の情熱をたたえる輝き
・「ダミアーニ」がミラノで創業100周年記念展覧会を開催。100点の傑作でたどる軌跡
ジェローム・ファヴィエ Jerome Favier
1970年フランス生まれ。リシュモングループなど、20年以上にわたり高級ジュエリー・ウォッチ業界でのキャリアを重ね、2018年の初めにダミアーニ・グループの副社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。英語とフランス語、イタリア語が堪能で、国際経営学のMBAを取得している。デザインとスポーツに熱心で、趣味はテニスやランニング、スキー。
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