テイラー・スウィフトは真っ赤なミニドレスで登場、【グラミー賞2025】レッドカーペットのベストルック10選
Frazer Harrison / Getty Images
2025年2月2日(現地時間)、米ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで行われた第67回グラミー賞授賞式。レッドカーペットでは真っ赤なミニドレス姿で抜群の存在感を発揮したテイラー・スウィフトをはじめ、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞と最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンスの2部門を制したサブリナ・カーペンターや、最優秀新人賞に輝いたチャペル・ローンなどが、自身の作品の世界観を表現した個性際立つルックを披露した。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事よりお届け。
今年のグラミー賞レースはどの部門も激戦だったが、ファッションではトロフィーを分かち合うことができる。
アワードシーズンを彩る数々のセレモニーの中でも、2025年グラミー賞のレッドカーペットファッションは最も表現力豊かなものとなるだろう。今年のグラミー賞にノミネートされたスターたちは、どのレッドカーペットでも、パフォーマンスの延長として個性的なスタイルを表現し、特定の色やモチーフを通じて、自身のアルバムを宣伝するチャンスとして活用している。
例えば、テイラー・スウィフトは、(昨年のグラミー賞授賞式で)モノトーンのスキャパレリを、(「The Eras Tour」で)ヴィヴィアン・ウエストウッドをまとって、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(今回のグラミー賞で6部門にノミネートされたアルバム)の世界観を表現してきた。またビヨンセは、さまざまなウェスタンスタイルのスーツとカウボーイハットで、『カウボーイ・カーター』(同じく11部門でノミネートされたアルバム)のために登場した。そして、アルバムのタイトルにもなっているブラットグリーンを本物のトレンドに変えた、正真正銘の“ブラット ”、チャーリー・XCX(アルバム『ブラット』で9部門にノミネートされ、3部門で受賞した)もいる。
当然ながら、2025年のグラミー賞レッドカーペットのベストルックは、アーティストたちが表現するストーリーに忠実なものだった。チャペル・ローンは、ドラァグクイーンとしての自身のキャラクターにふさわしい、ドラマチックでカラフルなジャンポール・ゴルチエのアーカイブドレスを着用。
サブリナ・カーペンターは、JWアンダーソンによるフェザーのトリミングが施された夢のようなブルーのドレスで、ヴィンテージのピンナップ・ドールのようなスタイルを貫いた。グレイシー・エイブラムスは、シャネルのカスタムドレスで、レッドカーペットの写真撮影スポットを彼女専用の通路に変えた。そして、全体的に2025年グラミー賞レッドカーペットルックは、アーティストそれぞれのツアー衣装に匹敵するものだった。
以下、グラミー賞のレッドカーペットを彩った、今年のベストファッションをご覧あれ。
スキャパレリのオートクチュールのカスタムドレスを着用したビヨンセ
アメリカーナ(カントリーなどアメリカルーツの音楽)の美学と黄金のトロフィーが交差するところに、ビヨンセとスタイリストのシオナ・トゥリーニが2025年グラミー賞授賞式のために選んだドレスがある。ビヨンセはレッドカーペットには登場しなかったが、式典にはスキャパレリのきらびやかなゴールドドレスで姿を現し、最優秀カントリー・アルバム賞、その後、年間最優秀アルバム賞を受賞した(TV中継前のプレセレモニーで、マイリー・サイラスをフィーチャーした『Ⅱ MOST WANTED』が最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス賞も受賞)。
スカートと袖にあしらわれたペイズリー柄は、最近NFLのハーフタイムショー で着用した白いルックと同様、『カウボーイ・カーター』の西部劇的なテーマに新鮮な視点をもたらした。これは、初めてのロデオに着ていくようなドレスではないが、グラミー賞の歴史を作るのにふさわしいものだ。
ルドヴィック ド サン セルナンによるジャンポール・ゴルチエを着用したチャーリー・XCX
チャーリー・XCXは、(すでに)グラミー賞を受賞した彼女のアルバム『ブラット』で、リスナーたちに自分が彼らのお気に入りのファッションアイコンであることを思い出させた。そうなると、彼女自身が参考にしているのは誰なのか、という疑問がわいてくる。この夜のレッドカーペットの答えはジャンポール・ゴルチエで、ゲストデザイナー、ルドヴィック ド サン セルナンとのコラボレーションによる、淡いティール色(緑がかった青)の流れるようなドレスがチャーリーに提供された。
このドレスは(授賞式の)前の週にパリ・オートクチュール・コレクションのランウェイで初披露されたもので、スタイリスト、クリス・ホーランはスター顧客のために数日でこのドレスを確保し、ランウェイで披露されたブライダル風の白から、今回のような特注カラーに変更した。チャーリーがロングドレス姿で「クラブ・クラシック」を踊れることを疑う人がいないように、頑丈なレースアップブーツと彼女の全体的な態度は、自分が好きなものを着て、自分の好きな音楽で踊ることができることを示している。
テイラー・スウィフトがヴィヴィアン・ウエストウッドのカスタムミニドレスを着用
コルセットとマイクロミニスカートは、テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』時代(Era)の定番となってきた。しかし、2025年グラミー賞のレッドカーペットでは、この2つの要素が組み合わさり、テイラーにとってまったく新しいものとなった。彼女はアルバムの楽曲『Down Bad』の不機嫌そうな色調を捨て、ルビーレッドのクリスタルで覆われたヴィヴィアン・ウエストウッドのミニドレスを身にまとった。
彼女の太ももに輝く「T」チャーム(「TTPD」の略称で呼ばれる今回のアルバムの楽曲『Guilty as Sin』の歌詞を意識したものとうわさされている)をはじめとするロレイン・シュワルツのジュエリーのおかげで、これまでのテイラーのレッドカーペットルックの中で、最もいきいきとして見えた。たとえ彼女の告白的なアルバムが受賞を逃したとしても、彼女の長年のスタイリスト、ジョセフ・カッセルとともにベストドレッサー賞を獲得したことを知って、この夜を締めくくることができるだろう。
ロベルト カヴァリを着用したカーディ・B
ラッパー、カーディ・Bの2025年最初のレッドカーペットは、彼女が征服しに来たことを物語っていた。カーディとスタイリストのコリン・カーターはタッグを組み、ロベルト・カヴァリの2025年春夏コレクションのドレスをカスタマイズした。スカート部分にたくさんのフェザーをプラスし、ネックラインはワンショルダーから大胆なV開きシルエットに調整した。トラ柄のスパンコールとボディラインに沿ったシェイプの間にあるこのルックに、私は「強烈」という一言しか思い浮かばない。
ヴィンテージのジャンポール・ゴルチエを着用したチャペル・ローン
ヴィンテージやアーカイブのファッションがレッドカーペットで一般的になりつつあるが、2025年グラミー賞でチャペル・ローンが最初(この言葉が適切だ。彼女はその夜の後半、あっという間に別のルックに着替えた)に選んだものは、その歴史だけでも息をのむようなものだった。
この装いは、ジャンポール・ゴルチエの2003年春夏のパリ・オートクチュール・コレクションからのもので、ドガの絵画で描かれているバレリーナがプリントされたスカートと、一緒にお披露目されたフェザーのヘッドピースが完璧なまでにそろっている。それは、ファンがチャペルに期待する演劇的な要素がすべて盛り込まれており、非常にレアなもので、スタイリストのジェネシス・ウェッブは、失くすのが怖くてホテルの部屋でこのドレスを隣に置いて寝ていたほどだという。私も、もしこのヴィンテージの逸品を自分の倉庫に所有していたら、常に目を離さないようにしたいと思うだろう。
サブリナ・カーペンターがJWアンダーソンの特注ドレスを着用
私は、サブリナ・カーペンターとスタイリストのジャレッド・エルナーが、2025年グラミー賞でヴィンテージ風のピンナップガールにふさわしいものを考え出すのではないかと疑っていた。しかし、彼女が最終的に着用したJWアンダーソンのカスタムメイドのドレスほど現代のシンデレラにふさわしいものは、とても期待できなかった。
フェザーのトリミングと背中が開いたデザイン(もちろん、ショパールの巨大なダイヤモンドがセットされている)は、『Short n’ Sweet Tour』で着用したヴィクトリアズ・シークレットのランジェリーやパトゥのレースボディスーツと肩を並べるもので、少しファッションの歴史への敬意も示している。このドレスは、1964年の名作『何という行き方!』でシャーリー・マクレーンが着用したベビーブルーのドレスとそっくりだ。盛り上がったブロンドのカールヘアやショパールのジュエリーに至るまで、ファッションのお手本としてはサブリナのほうが(シャーリーに)勝っている。
カスタムメイドのシャネルを身にまとったグレイシー・エイブラムス
グレイシー・エイブラムスがグラミー賞のレッドカーペットでカスタムメイドのシャネルのドレスを身にまとったとき、「どんなときも笑顔でいる、それが私の人生」という歌詞が頭に浮かんだに違いない。カメリアの飾りのついたバターイエローのブライダルドレスに、おそろいのシフォンのベールを合わせて、幸せを感じない人はいるだろうか?
グレイシーはシャネルのアンバサダーとして契約を結んでいるため、普段はツイードやノーカラージャケットを着用することが多いが、このルックは彼女自身のスタイルを前面に押し出すものとなった。彼女がトレンドカラーのドレスを選んだのは? それは、グレイシーのアルバム『The Secret of Us』(テイラー・スウィフトをフィーチャーした『us.』が最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンスにノミネートされた)のカバーアートでタイトルの文字に使われている色が黄色系だったこともあるだろう。
トム・ブラウンを着用したドーチー
2025年グラミー賞の新米「スワンプ・プリンセス(ドーチーのニックネーム)」であり、最優秀ラップ・アルバム受賞者を紹介しよう。ラッパーのドーチーのスタイルは、アヴァンギャルドなプレッピースタイルと「オフィスサイレン(ミニマルでモードなオフィスルック)」のピンストライプ柄で特徴づけられ、グラミー賞有力候補として初めて同賞のレッドカーペットに登場した際にも、そのスタイルを貫いた。彼女とスタイリストのサム・ウルフは、誇張されたコルセットとそれに合わせたネクタイ、そしてトム・ブラウンのシグネチャーストライプで、ドーチーのコンサートのテーマを表現した。この夜の早い段階で彼女が(最優秀ラップ・アルバム賞を)受賞したことでも証明されているように、彼女はあらゆる面でトップなのだ。
プラダを着たビリー・アイリッシュ
レッドカーペットの視聴者がビリー・アイリッシュについて信頼できることのひとつは、彼女はレッドカーペットのトレンドを追うことはないということだ。マリンテイストの小さなプラダのハットは、昨シーズンのパリやミラノのコレクションで発表されたヘッドギア中心のコレクションにとても合っていると感じられた一方で、彼女のリラックスしたジャケットとスラックスは、流行のサイクルからは外れているような気がした。それは、グラミー賞で6部門にノミネートされたアルバム『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』でビリーが披露したボーカルのように、地に足がついた控えめなスタイルだった。彼女とミウッチャ・プラダは、まさに「birds of a feather(ビリーの楽曲のタイトルで、似たもの同士の意味)」である。
ヴィンテージのヴェルサーチェをまとったオリヴィア・ロドリゴ
オリヴィア・ロドリゴは、歌詞の中で自分の本音(=gutsはオリヴィアのセカンドアルバムのタイトル)をさらけ出すことをためらわない。2025年グラミー賞でも同じように、露出度の高いドレスでさらけ出すという信念を貫いた。彼女は2024年グラミー賞のレッドカーペットで着用したのと同じ(昨年は、1995年に発売されたヴェルサーチェのシャンパンカラーのスリップドレスを着用した)、ヴェルサーチェのアーカイブドレスをふたたび選び、今回はドラマティックなカットアウトが施されたブラックのドレスを選んだ。
大胆な胸元のキーホール・カッティングから始まって、ヒップまで広がり、背中は完全に開いたデザインである。パンクロック調のカラーパレットはオリヴィアにぴったりだが、このルックは完全に「デジャヴ(オリヴィアの楽曲のタイトル)」の領域には陥っておらず、新鮮だ。ティファニーのダイヤモンドと、古き良きハリウッド風のウェーブヘアが、彼女のスタイルのより成熟した側面を表現するのに役立った。この元最優秀新人賞受賞者は、今やグラミー賞の常連のようだ(今回はプレゼンターとして出席)。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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