予期せぬ美しさ2024年春夏パリコレクション
2023.11.30
2023.11.30
「ヨウジヤマモト」は、デザイナー山本耀司の「黒」が軽やかに舞った。レースから透ける肌、カットワークから見える肌。幅や素材の異なるひもや糸を組み合わせ、その間から見える肌。そしておなかを出すスタイルでさえ、そのさじ加減が絶妙。女性と女性の肌をいかに美しく見せるか、西洋のストレートさとは異なる表現がなされている。
麻やコットンなどの薄い布を使い、短い丈も取り入れ、軽やかさが増した。麻の白は、純白ではなくかすかなオフホワイト。水玉のプリントは実はかすかにかすれており、それぞれの水玉の色も微妙に異なっている。女性を美しく見せる服を作り続ける山本は、細部にまで徹底的にこだわり続ける。そして、終わりはないようだ。

「アンダーカバー」は、薄暗い会場に入ると、床に薄い布で覆われたシャンデリアが置かれ、鈍い光を放っていた。テーマは「Deep Mist(深い霧)」。
次々に登場するコートやパーカ、ジャケットなども薄布に覆われている。「透ける布で包まれたデザインを消した深い霧のような服」とデザイナーの高橋盾が表現したものだ。フリルを重ねて作ったドレスの絵は、高橋が描いた「肖像画シリーズ」の作品。ダークなエレガンスとでもいうのか、どこかシュールで、しかも美しい。
フィナーレに登場したドレスの数々は、薄布で覆われた、まるでテラリウムのようなスカートで、内側からかすかな光を放つ。中には、バラの花や本物のチョウチョ。予期せぬ美しさに思わず息をのんだ。

ベルギーの高級バッグブランド「デルヴォー」の展示会で見たバッグは、ベルギーの若手アーティストであるカスパー・ボスマンスとの独創的な交流で誕生した。テーマは「ミューチュアリズム(共生)」。アート、職人の技などが融合したカラフルなバッグは、みんなを幸せにしてくれそうな明るい雰囲気を醸し出していた。

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©︎marie claire/text: Izumi Miyachi
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