40代モデル浜島直子さんの「服」をめぐるストーリー
2023.5.31
2023.5.31
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服にまつわる様々な物語の中で印象に残ったのは、北海道の富良野で暮らしていた少女時代、欲しい服を買うためにアルバイトをしたり、雑誌の世界やおしゃれな同級生に影響を受けながら前のめりにおしゃれに挑んでいたエピソード。
「我が家では夏と冬、年に2回のボーナスのタイミングで、母と姉と3人で富良野から旭川のデパートに行き、洋服を買うのが一大イベントでした。若い頃は、似合う似合わない関係なく、目に入るものは全部欲しかった! 雑誌の世界にもすごく憧れを抱いていたので、高校3年生の時に札幌で開催された雑誌『mc Sister』の専属モデルにスカウトされた時は本当にうれしかったです」
上京しモデルの仕事を始めた20代前半は、様々なジャンルのファッションに挑戦してきたという浜島さん。「モードな服は普段化粧をしない自分にはチグハグだったり、飛びついた服が自分の体型には合わなかったり、おしゃれには高い勉強代を払いました(笑)。今振り返ると、何も知らない道産子の女の子が東京に来て、いろんなファッションに触れて体験して学んでいく時期だったのかなと思います」

20代半ばからクイズ番組『世界・ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして世界を飛び回り、モードな服から、動きやすく幅広い世代から親近感の湧くファッションへと移行していったという浜島さん。ミステリーハンターは、幅広い雑誌に登場しながらも、表紙を飾るいわゆるスターモデルには到達できず、挫折を味わっていた時に自らの強い希望でオーディションを受けたのだと言う。
「私は彫りの深い顔でもないし、ものすごくスタイルがいいわけでもない。モデルとしてはかなわない人がたくさんいて…。かと言ってクヨクヨしているのももったいない。じゃあ私の武器はなんなんだろうと思った時、おしゃべりが好きなのでそこを強みにできないかなと思ったんです。ただで海外に行けたらラッキー!みたいな思いもありましたが、新しい世界を開拓したいという強い決意で応募して、そこから12年ミスタリーハンターをやらせていただきました」
著書「けだま」では、ミステリーハンターとしての世界各国での貴重な体験と、リポーターとして、1人の女性として、覚醒していくエピソードも綴られている。
「マネージャーさんもヘアメイクさんもおらず、制作スタッフみんなで機材を運びながら時には自分でレフ板も持つ。洋服も照明もお膳立てしていただいていたモデルとは全く違う現場を通して、仕事への向き合い方が変わりました。そうしているうちに、テレビやラジオにも呼んでいただけたり、雑誌の企画に自分の名前を入れていただけたりするようになりました。挫折から進んだ別の道が、いつしか望んでいたゴールにつながっていて、遠回りしたかもしれませんが、人生に無駄なことってないんだなと思いました」
浜島直子
1976年、北海道生まれ。モデル。愛称「はまじ」。18 歳でモデルデビュー。「LEE」では 10 年間専属モデルを務めるなど、現在も様々な女性誌で活動中。またTBS「世界ふしぎ発見!」では 12 年間ミステリーハンターとして出演する他、NHK「あさイチ」、bayfm「Curious HAMAJI」など、多くのテレビ・ラジオ番組にも出演している。〝あべ はまじ〞名義で絵本『ねぶしろ』シリーズや、初の随筆集『蝶の粉』 も出版。今年4月に上梓した新刊『けだま』(大和書房)では、服を入り口に、日常の何気ない風景を描いた22篇の物語でも、瑞々しい筆致が光る 。
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