新しいフェーズへと向かうパリコレクションに見るサステナビリティ
2023.6.27
2023.6.27
パリコレ全体に目を向けると、パンデミック後に復活したショー開催への喜びが前面に表れたシーズンという印象だった。サステナビリティを声高に叫ぶのではなく、ショーではより想像力を刺激するビジョンが重視されていたと感じる。課題解決の段階が新しい展開を迎えたといえるのかもしれない。「ロエベ」のジョナサン・アンダーソンは、平面的なドレスに40年代の服のプリントを重ね、服の過去から未来に想像力を喚起し、服の命とは何かという観念的な問いを投げかけた。会場に配されたアート作品は、アーティストの今後の制作に再利用される予定で循環型の思考が込められている。

「ルイ・ヴィトン」のショーセットも環境保護が考慮されていた。フレンチスタイルがテーマのショー会場に精巧に再現されたパリの街並みの素材は木材の90%以上がFSC認証材で、ショー後には2次使用されるという。

最後に、もう一人の日本人デザイナーのことにも触れておきたい。「TOMO KOIZUMI」の小泉智貴は最新コレクションのショーを「ドルチェ&ガッバーナ」のサポートによってミラノで開催したが、パリコレでもプレゼンテーションを行った。小泉は、誇張されたフォルムのカラフルなフリルドレスをアイコンとして、ミュージシャンの衣装などでファッションの領域を広げながら創作活動を展開している。「色を選ばない」ことをテーマにした新作は、「ドルチェ&ガッバーナ」の過去の残布や日本のデッドストック生地を用いて、「計算できない美しさ」の表現を試みた。それは、残り物を循環させると同時にクリエーションへの挑戦でもあった。環境のためのデザインではなく、「布の再生」が新たな創造を生むということ。その逆転的発想に心動かされた。ファッションの根本にあるのは、日常の中の創造性と想像力の喚起である。それは、サステナビリティを推し進める上での核心ともなるであろう。

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©︎marie claire/text: Mitsuko Watanabe
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