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BTSが「ソロ活動専念」に至った深い訳。なぜK-POPアイドルのキャリア形成は難しいのか

Axelle/Bauer-Griffin / marie claire japon

6月13日にデビュー9周年を迎えたBTS。その直後に公開されたYouTube動画「防弾会食」でソロ活動に注力していくと宣言し、ファンの間に衝撃が走った。その動画の内容を受けて、K-POPアイドルが長くグループ活動を続けることの難しさについて、韓国音楽ライターが考察する。

コロナ禍にリリースした「Dynamite」の世界的大ヒットをきっかけに一気にグローバルスターへの階段を駆け上がったBTS。「ARMY(アーミー)」を名乗る熱狂的なファンが世界中に急増し、その後も新曲の発表やライブ開催、テレビ番組出演、CM起用など、ことあるごとにBTS旋風を巻き起こしてきた。

そんなお祭り騒ぎが続くなか、ある不安が頭をよぎっていた。「この盛り上がりはいつまで続くのだろうか……」。そう思っていた矢先、6月14日に公開されたYouTube動画「防弾会食」にて突然の「ソロ活動専念」宣言。急なカミングアウトに驚く一方、どこかでこの展開を予想していた自分もいる。なぜなら、K-POPアイドルが長期にわたってグループとしてキャリアを築いていくことは、さまざまな理由で非常に難しいからである。

6月14日にYou Tubeで公開された「防弾会食」

K-POP界の早すぎる世代交代

1つ目の理由として考えられるのが、異常なまでに短い世代交代のスパンである。韓国ではアイドルグループを効率的に生み出すためのシステムが成熟しており、新しいコンセプトが目を引くハイクオリティな新人アイドルが次から次へと出てくる。世間はそんなアイドルを次々に消費し、気づけば数年前にハマっていたグループのことはすっかり忘れている、というのはよくある話だ。

アイドルとしての寿命が短いことは本人たちも自覚しており、いずれ訪れる活動停止の時を見据えて、多忙なアイドル活動と並行して、演技やソロ歌手、バラエティのMCなど、独自のスキルを磨いていく。そうこうするうちに、進路に関してメンバー間の意見が合わなくなっていき、解散に至ってしまう。

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Profile

Akari Hiroshige

Akari Hiroshige


1994年生まれの自称、韓国インディーズPR大使。韓国のミュージシャンや業界人を中心にインタビュー記事を多数執筆。「韓国の音楽をジャンルレスに紹介する」をモットーに、韓国インディーズ音楽特化型メディア「BUZZYROOTS」の運営やDJイベントへの出演、アーティストのアテンドなど、多岐に渡り活動中。
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