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女優からプリンセスへ。グレース・ケリーがまとったジュエリーやドレスを再現『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』【ドレスに見惚れる名作シネマ】

ジューン・ブライドの季節、印象的な映画作品を紹介しています。 女優として人気絶頂期にモナコ公国の大公妃となり、その名を冠したエルメスのケリーバッグでも知られるグレース・ケリー。"世紀の結婚式"のあと、彼女がたどった運命を描いたこの作品では、華麗な衣装とともにまばゆいばかりのジュエリーの数々にも注目です

1950年代前半、その美貌と気品で世界中の映画ファンを魅了したグレース・ケリー。22歳でスクリーンデビューするや、当時の名だたる映画監督たちに愛され、5年間で11本の映画に出演し、『喝采』(54年)でアカデミー賞主演女優賞を獲得する。トップ女優の階段を駆け足で上り詰めた彼女が、カンヌ国際映画祭で出会ったモナコ大公レーニエ3世に見染められ結婚したのは、56年のことだった。

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『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(2014年)は、“世紀の結婚式”と謳われたモナコ大公宮殿での挙式から約6年経った頃から物語が始まる。

大公妃となったグレースは、父親の教えである「無関心は罪」の言葉を胸に刻み行動した。老朽化した病院を修復して恵まれない子どもたちを救済する施設にしようと赤十字に訴えかけるグレース。しかし、“お飾り”である彼女の意見など誰も聞こうとしなかった…… ©2014 STONE ANGELS SAS

大公妃となったグレースは、必ずしも幸せとはいいきれない日々を過ごしていた。社交の場で政治的な話題が出ても女性が意見すれば「アメリカ流」と揶揄され、大公からも黙っていろと叱責される。社会活動でも彼女の改革案に耳を貸してくれる人はいない。宮殿での生活に失望しつつあった。

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そんな彼女の元にアルフレッド・ヒッチコックが訪れる。『ダイヤルMを廻せ!』(54年)、『裏窓』(54年)、『泥棒成金』(55年)でグレースをヒロインとして起用していた彼は、次回作『マーニー』への出演をオファーするためにやってきたのだった。宮殿では自分らしく生きられないと不満をつのらせていたグレースの心は大きく揺れ動く。しかし、そんなさなかにモナコ公国は存亡の危機に見舞われることになり——。

1961年12月、ヒッチコックはモナコの宮殿を訪問した。その目的は、女優を引退したグレースに次回作『マーニー』への出演を口説くためである。脚本を渡されたグレースは、消し去ったはずの心の炎が再び燃え始めるのを感じた ©2014 STONE ANGELS SAS

ヒッチコックが引退したグレースに『マーニー』のヒロイン役を依頼したのは、決してダメ元の思いつきではなかった。60年にウィンストン・グレアムの同名小説が出版されたとき、ヒッチコックはヒロインのマーニー役にグレースを起用することを念頭に置いて映画化権を買ったのだ。

ヒッチコックと長年親交があったフランスの映画監督フランソワ・トリュフォーは著書『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』で、「ヒッチコックは自分の映画のすべてをグレース・ケリー主演で撮りたかったのだ」と明言している。ヒッチコックにとって理想のヒロインは、魅惑的で洗練された美女であり、その頂点にいたのがグレースだった。

フランスからの圧力で危機に瀕するモナコ。さらに、ヒッチコック作品への復帰がマスコミにリークされたことが更なるピンチを招く。グレースは、夫と子どもたちを守るべく、モナコ国民の信頼を得られるための“レッスン”を始める ©2014 STONE ANGELS SAS

それほどまで巨匠監督を魅了したグレースを演じたのはニコール・キッドマン。彼女もまたオスカー女優であり、名だたる監督に出演を望まれる演技力と美貌を兼ね備えた存在である。数多くの写真や映像が残るグレースになりきるプレッシャーは並大抵なものではなかったと思われるが、キッドマンの役作りに大いに寄与したのは華麗な衣裳の数々だ。

式典用の白いドレスは当時グレースが実際に着たランバンのドレスを再現。また、ディオールの3代目デザイナーだったマルク・ボアンが本作のためにオリジナルのドレスを作っている。そのほか、シャネルやエルメス、スワロフスキーなどの協力を得て、計44もの衣裳が製作された。

極め付けはジュエリーの数々だ。グレース本人が所有していた婚約指輪やティアラ、ネックレスなどを、モナコ公国の同意のもと、カルティエが忠実に複製したものをキッドマンは着用している。

モナコを救うためにグレースが思い立ち、世界各国の要人を招待した赤十字モナコ支部主催の舞踏会当日。グレースは控えの間でレーニエ公に家族への想いを切々と訴えた後、渾身のスピーチを行うため会場に向かう。それは、女優グレース・ケリーの“名演”を披露する檜舞台だった ©2014 STONE ANGELS SAS

しかし、この映画の要といえるのは、劇中でグレースが観る結婚式の記録映像に映し出されるウエディングドレスかもしれない。グレース最後の出演作『上流階級』(56年)で衣裳を担当したヘレン・ローズがデザインした豪奢なドレスを身に纏った自身の姿を、複雑な表情で眺めるグレース。おとぎ話のクライマックスはお姫様の結婚式だが、現実世界ではその後も人生は続く。

ウエディングドレスを着た日のことを後悔しないために、グレースは自分が演じる“場所と役柄”を選択する。その決意までの過程を描いたのが本作だ。

『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』
DVD発売中¥1,257 発売・販売元:ギャガ 
Prime Videoでレンタル・購入配信中
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