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【藤井聡太三冠が竜王奪取で最年少四冠!】盤上ゲームの若き天才を描いた名作3選【1】

対局のたび大きなニュースになる将棋界のエース、藤井聡太三冠。11月13日、挑戦していた竜王戦七番勝負で四連勝しタイトル奪取、史上最年少四冠を達成した。将棋界初の「10代四冠」が誕生したいま、究極の頭脳戦である盤上ゲームに人生を賭ける人々を描いた作品をご紹介。ルールを知らなくても感動すること間違いなし!

『3月のライオン』~現実を予言するかのような展開が話題に

2016年、史上最年少でプロ棋士となった藤井聡太。14歳5ヵ月で挑んだデビュー戦で加藤一二三九段を破り、公式戦勝利の最年少記録を更新した。その後も破竹の勢いで勝利を収める彼がただ者ではないと世間が気づき始めた頃、コミックス好きの人たちがたびたびこう口にしていた。「桐山零が現実世界に降臨した」と。

桐山零とは、2007年から現在も青年漫画誌「ヤングアニマル」(毎月第2・第4金曜日 白泉社刊)で連載中の人気漫画『3月のライオン』(羽海野チカ著)の主人公。中学生にしてプロ棋士となった史上5人目の天才で、名だたる強豪と伍して戦う高校生……と、藤井君との共通点が多いことで話題となった。連載スタート時から高い評価を得て、名だたる小説家やミュージシャンたちが絶賛、コミックスは第16巻まで発売されている。

羽海野チカ著『3月のライオン 第16巻』(白泉社刊)

その漫画を原作として2017年に前編・後編二部作で実写映画化されたのが本作である。神木隆之介が主人公の桐山零を演じた。

零は小学3年生の時に交通事故で家族を亡くし、父親の友人だった棋士の幸田柾近に引きとられる。幸田は将棋がすべての男で、零は養育してもらうために将棋で強くなるしかなかった。しかし、彼が頭角を現すにつれて、同じくプロを目指す実子たちがいる幸田家に亀裂が生じ、いたたまれず家を出る。下町のアパートで孤独に耐えながら将棋に没頭する零。そんな彼の人生が、隣町で和菓子屋を営む川本家の三姉妹と出会ったことをきっかけに、少しずつ温かみを帯びていく。

将棋は好きじゃない。でも生きるため必死にしがみついているんだ──そんなつもりだったのに、ライバルたちとの交流や強者との壮絶な戦い、そして別格の天才・宗谷名人との出会いを経て、将棋の世界に惹き込まれていく零の姿は清々しい。

川本三姉妹との交流によっても、零は成長していく。前編では、暖かく歓迎してくれる川本家の人情に触れて居場所を見出していくが、後編では、その川本家に次々と災難が襲う。零は窮地に立たされる三姉妹を守ろうと立ち向かい、無力であることを思い知らされ、人として強くなることを自分に誓うのだった。

『3月のライオン』 ©2017映画「3月のライオン」製作委員会 Netflixにて配信中

公開時、オールスターキャストで話題になっただけに、隅から隅まで芸達者な俳優ばかり。主演の神木は、コミックが実写化されるなら桐山零役は彼しかいないと原作ファンから噂されていた。原作の評価が高いほど、実写映画のキャスティングには賛否がつきものだが、彼はそのプレッシャーを跳ね飛ばしてあまりあるほど桐山零になりきった。

そして、染谷将太が特殊メイクで零の親友二海堂晴信になりきっているのも必見だが、当時ブレイク前だった中村倫也がパッと見誰だかわからないくらい原作キャラに寄せて演じているのも見逃せない。また、10月まで放映されていた朝ドラ『おかえりモネ』での好演で人気急上昇中の清原果耶が、デビュー2年で早くも実力派の片鱗を見せている。

ちなみに、本作の前編Blu-ray/DVD豪華版には、零を演じた神木隆之介と藤井聡太の対談が収められている。それによると、藤井君は二階堂の将棋に対する真っ直ぐな情熱が好きらしい。天才棋士に認められた二階堂の将棋愛、映画を観てチェックしてほしい。

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香月友里

かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターに。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る

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