町田啓太がまとう怖さと色気は必見。ドラマ『SUPER RICH』と併せてチェックしたい作品は

上司の信頼厚く、後輩にも慕われるスマートな男！

裕福な家に生まれ、これまでお金に困ったことがない。その一方で、幼少期に両親を亡くした寂しさから心を閉ざし、「お金があれば何事も解決できる」を信条として仕事に没頭する日々を送る。そんなキャリアウーマンが、幸せのカタチ＝“スーパーリッチ”を追い求める姿を描く『SUPER RICH』。

主演は、『半沢直樹』（TBS）はじめ話題作に引っ張りだこで、来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演も決定している江口のりこ。さらに、クセの強い実力派俳優がズラリと顔を揃えることでも話題のこのドラマ。江口のりこ扮する氷河衛（ひょうが まもる）が経営する電子書籍販売のベンチャー企業「スリースターブックス」の人事責任者・宮村空（みやむら そら）を演じるのが町田啓太だ。

町田クンといえば、作品によってガラリと印象が変わることで知られている。大河ドラマ『青天を衝け』（NHK）で演じた土方歳三は、あまりにも凛々しく美しく、土方が最期を遂げた回が放送された直後は「土方さんロス」がバズったほど。その一方、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』（テレビ東京）では乙女なハートを持つエリートサラリーマン、『嘘から始まる恋』（日本テレビ）ではイケメンだけど自らを「都会の男」と言っちゃうちょっとアレな商社マン——と、幅広い役柄になりきれる注目株だ。

そんな町田クンが、『SUPER RICH』で上司に絶大な信頼を置かれ、採用したインターンたちにも慕われるスマートな男を演じるとなると、もう胸騒ぎしかしない。

美しすぎるワルにクラクラ

キャラはさまざまでも、わりと平和な気持ちで見られる役が多い町田クンだけど、全く違った顔が見られるのが映画『きみの瞳（め）が問いかけている』。吉高由里子と横浜流星がダブル主演した2020年公開の純愛映画である。

罪を犯して前途を絶たれたキックボクサー塁は、アルバイト先で明香里という女性と出会う。暗い毎日を送っていた塁は、目が不自由でもひたむきに明るく生きる明香里に少しずつ心を開いてゆき、やがて二人は恋に落ちる。未来に希望の光が射し、キックボクサーとしても再び歩み始めた塁。しかし、明香里が失明し両親を亡くした原因となった事故の話を聞き、再び闇に突き落とされる。

自分は過去の罪から逃れることはできないと絶望する塁を、再び闇社会に引きずり込むのが、町田クンが演じる半グレ集団のリーダー・恭介だ。賭博や特殊詐欺に手を染め、同じ修道院で育った幼馴染の塁を手下として使っていた。常にうす笑いを浮かべながら平然と他人を奈落の底に突き落とす、血も涙もないワルになりきっている町田クン。『青天を衝け』の土方歳三でファンになった人は、その落差にクラクラするかもしれない。でも、端正な顔立ちの男が狂気を帯びたヒールを演じると、怖さと色気が増し増しになって美しい。

『きみの瞳が問いかけている』は、主人公が織りなす甘く切ない物語に浸りながら、極悪な町田クンの刺激も堪能できる作品である。

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