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衝撃のサプライズが待ち受ける美食サスペンス映画『ザ・メニュー』

ディズニープラスで配信中のサスペンスコメディ映画『ザ・メニュー』は、超高級レストランの予約がとれた12人のセレブ客が、一流シェフ、ジュリアン・スローヴィクが提供する極上のメニューを求め、孤島へと向かう船旅からスタート。1人1,250ドルという究極のフルコース料理が進むにつれ、不穏なムードが漂い、思ってもみない結末へと突き進む様子がブラックユーモアたっぷりに描かれている。

多彩なオールスターキャストの中でも、ミステリアスなカリスマシェフを演じたレイフ・ファインズと、タイラー役ニコラス・ホルトの恋人であるマーゴを演じたアニャ・テイラー＝ジョイが、2023年ゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、注目度がアップした本作。HBOの大ヒットシリーズ「メディア王〜華麗なる一族〜」で2022年ゴールデン・グローブ賞テレビドラマシリーズ部門最多3冠に輝き、同年エミー賞も独占したマーク・マイロッドが監督を務めたことも話題に。

風刺とスリルとサプライズに満ちたストーリーが繰り広げられる、太平洋岸の孤島にたたずむ架空の高級レストラン「ホーソン」は、米サイト「Desider」によると、脚本家ウィル・トレイシーの個人的な体験にインスパイアされているそうだ。トレイシーがノルウェーを訪れた際、プライベートアイランドにあるフォーマルなレストランに、ボートで出かけたときのこと。食事のために席に着いたとき、乗ってきたボートが桟橋から離れるのが見えて、この小さな島に数時間はとどまることになったと悟り、「何かあったらどうしよう」と一瞬恐怖を感じた。その経験が、本作のアイデアにつながったという。

撮影は2021年、ジョージア州サバンナとその周辺で行われた。映画に登場する“孤島”はもともとスコットランドの島で撮影する予定だったが、コロナ禍の影響で同州のタイビー島に変更になったのだとか。

レストランの外観もタイビー島にある古い納屋で、内装はセット。スウェーデンのFävikenやカリフォルニア・ナパバレーのThe French Laundryなど、数々の名店からインスピレーションを得たそう。『コンデナスト・トラベラー』誌によると、プロダクション・デザイナーの男性が2017年のクリスマスイブに、世界一のレストランと名高いコペンハーゲンのNomaの予約がギリギリでとれた経験が活きているのだとか。ちょうど改装休業目前でお祝いモードだったスタッフに、レストランの設備や料理の作り方を見せてもらったという彼は、これを映画で再現できたら最高だと感じていたという。

またアメリカで唯一ミシュランの3つ星を獲得した女性シェフがコンサルティングを務めてくれたおかげで、超高級レストランの雰囲気と美味しさが伝わってくるような料理の、息をのむほどの映像が実現したとのこと。

船に乗って孤島の隠れ家レストランを訪れるなんて、いかにもロマンティックな始まりながら、観終えた頃には、島にも、一流レストランにも、恐怖を感じてしまいそうなこの映画。ただ終盤に登場する“あるメニュー”だけは、すぐにでも食べたくてうずうずしてしまうかも。

text: Akiko Eguchi

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