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【女医が解決。美容と体の相談室】vol.1 見逃さないで! 婦人科系の病気のサイン

現代女性が経験する生理の回数は50年前の9〜10倍!

「子宮内膜症の病勢は、月経回数に比例するといわれているので、出産をしない方が増えていたり、少子化で出産人数が少なかったりすることは影響しているのかもしれません。50年前の女性と比べて、現代女性が生涯で経験する生理の回数は9~10倍ともいわれていますからね」

婦人科系がんの罹患率は20~30代以降から上昇

「そのほかに卵巣がん・子宮がんなども女性特有の病気です。厚生労働省の統計によると、子宮頸がんは30代が好発年齢というがんの中では若い方に多いがんです。

子宮頸がんについては、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が発生に関わっていて、現在では予防のためのワクチンがあります。ワクチン接種は任意ですが、性交渉を持つ前に接種することが一番効果的と言われています。クリニックにも自分の意思で来られる10代の若い女性もいらっしゃいます。

また、子宮頸がんは子宮の入り口付近に発生するため、比較的短時間で痛みの少ない検診を年に1回受けることで早期発見されやすいがんでもあります。すぐがんになるのではなく、異形成といわれるがんになる前の状態を数年経てからがんになるので、早い段階で発見できれば子宮を摘出することを防げ、予後もよいがんです。

子宮体がんは閉経前後に多く、近年増加傾向にあります。初期から不正出血などの症状が出やすいため、早く受診することで早期発見早期治療に繋がります。卵巣がんは40〜60代に多く、初期には自覚症状がないため、早期発見が難しく、子宮がん検診と一緒に超音波検査をすることがおすすめです。」

「がんに限らず、病気は早期に発見できれば治療も手術も計画的に行えます。そのためにも、自分の体のニュートラルな状態を普段から自覚しておき、ちょっとした変化にも気づけるようにしておきましょう。そして、少しでも不安があるときは専門医に相談してください」

text: Mie Arisumi

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Profile

福山千代子(ふくやま・ちよこ)
MET BEAUTY CLINIC
院長。日本産科婦人科学会専門医。日本産婦人科学会・女性心身学会所属。美容医療×婦人科だからこそ取り組むことができる、女性のためのさまざまな医療・美容医療を提案。女性のライフステージに寄り添い、年代ごとの悩みに対して女性ならではの視点と最新の医療で治療に努めるドクター。
MET BEAUTY CLINIC
Instagram:@dr.fukuyama_femcare

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