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湯治の原点、薬草を敷き詰めた蒸し湯【倉田真由美のBeauty Life】

湯治といえば、温泉水につかることだと思っていませんか? 実は、洞窟などを利用した蒸し風呂こそが、湯治の原点。別府の鉄輪(かんなわ)には、地元で採れる薬草「石菖」を使った蒸し風呂があり、これがまたリピートしたくなるほど素晴らしいのです。

「石菖」の薬効効果で心身がじんわり

「一夜千両のお湯が湧く」と歌われるほど、日本一の温泉湧出量を誇る大分県の別府温泉。けれど、ここの魅力は、お湯だけではありません。5年前に行って以来、また絶対行きたいと思っていたのが、「鉄輪(かんなわ)むし湯」。小さな木戸の中には、頭が支えるほどの小さな石室があり、温泉で熱せられた床の上には、「石菖(せきしょう)」という薬草が敷き詰められています。その上に寝そべると、清涼感あふれる香りがふわっと鼻腔をくすぐり、心地いいことこの上なし!  8分ほど入っているだけで、手足の先、内臓のすみずみまでが、じんわり温まり、玉のような汗が顔にも浮かんできます。

3人でいっぱいになってしまうほどの小さな石室。専用のウエアを着て入り、8分後、係の人から声がかかる。ウエアは持参したTシャツなどでもいい
刈り取られた「石菖」は、すぐ横にある小屋で乾燥させて蒸し湯に使われる。脳の奥から、すーっと鎮まっていくような心地よさ

鎌倉時代から伝わる「鉄輪むし湯」

「鉄輪むし湯」は、鎌倉時代の建治2年(1276年)に、一遍上人によって創設された歴史あるもの。太古の人々もこうやって蒸し風呂で湯治を行い、疲れや不調を癒していた、と思いを馳せるのも楽しいものです。

ショウブ科ショウブ属に属する「石菖」は、この地域の渓流や湿地に自生している多年生植物。けれど近年、自然災害などの影響で採取される量が減っている、とても貴重なものです。「石菖」を高温で蒸すと、鎮静効果にすぐれたテルペンを含む芳香を放出するため、皮膚や呼吸器を通じて深いリラックス効果をもたらします。血流や自律神経を整えるので、免疫力を高める効果にも期待度大。ここでしか味わえない特別な湯治体験なのです。

鉄輪むし湯/住所: 大分県別府市鉄輪1組 (むし湯 ¥700、レンタル浴衣 ¥220)

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Profile

倉田真由美 くらたまゆみ

35年以上のキャリアを持つ美容ジャーナリストの草分け的存在。女性誌の美容ページや新聞のコラムなどで執筆する傍ら、美容やエイジングケアにまつわる講演などで活躍。
Instagram:@mayumikurata_beauty

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