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フランスの産婦人科医に聞く、真の「女性のエンパワーメント」とは?

3月8日は国際女性デー。フランスの医学界で活躍し、性科学や植物療法の普及、女性のエンパワーメントのため、定期的に来日して講演を行っている産婦人科医 ベランジェール・アルナール氏にインタビュー。いまだ“性的自由”を十分に享受できていない日本女性が自立し、真の自由と幸福を獲得するための道筋を聞いた。

産婦人科専門医であり、パリ第13大学医薬学部の植物療法学元教授のアルナール氏は、婦人科学の専門家だ。長年女性たちのウェルネスと自立を支える活動を続けてきた。今回の来日で、日本女性たちの印象を聞いてみると、次のような答えが返ってきた。「まだ性的な“自由”を十分に獲得しているとは言い難い状況です」。フランスでは1960年代からフェミニズム運動が活発化し、1970年ごろにはMLF(le Mouvement de libération des femmes)と呼ばれる女性解放運動がスタート。避妊や中絶の自由、性役割の固定観念からの解放を求めた。

「結果的にセクシュアリティの解放を実現し、フランス人女性は男性の“くびき”から解放され、今も変化の可能性は続いています。私は、日本女性にも、もっと自らを表現し、自由に女性性を開花させることを願っているのです」。

世界経済フォーラムによると、2024年現在、日本のジェンダー・ギャップ指数は146か国中118位という報告書が発表されるなど、未だ女性の地位が向上したとはいえない状況が続いている。

アルナール氏は、従来の医療を補完する形で、植物療法によるセルフケアを行うのは有効な手段だと語る。「私たちの体は、化学物質によって環境面で多大な悪影響を受けています。すぐに薬に頼るのではなく、セルフケアで予防をすることも大切です。普段の暮らしの中で、美容や健康のために植物を取り入れるのはよい選択。女性ならではの更年期や閉経後のケアに役立てたり、あるいは皮膚や粘膜の老化をゆるやかにしたりするのに、月見草やボリジ、小麦胚芽油などの植物由来のオイルを経口摂取することもおすすめしています」

産婦人科医 アナール先生

フランスにおける植物療法は、日本や中国における漢方や各国の民間療法と同じように、伝統的なアプローチで心身のケアを行うというもの。具体的には、ハーブを飲用したり、精油を希釈して肌に塗布したりするなどのアプローチがとられる。

「従来の医薬品の60%以上は植物を原料として作られているなど、薬用植物の有用性は古くから注目されていました。フランスでは1986年に植物療法が医学と認められ、多くの人が取り入れている状況です。病気を予防したり、対症療法とは異なるアプローチを取れたりするのが利点。1990年にWHOは、安全で伝統的なアプローチとして、民間知識に基づいたケアを奨励しています。副作用が少なく、化学合成ホルモンの量を減らしたケアを行えるのが魅力なのです」。

産婦人科医 アルナール先生
季節や体調などのニーズに合わせて、ハーブの内容を細やかに調整できるのが植物療法の魅力。ポットに入れてお湯を注ぐ方法や、煮出してじっくりと抽出する方法など、取り入れ方もさまざま

アルナール氏によると、性科学の分野でも植物療法が役立つのだという。デリケートゾーンのセルフケア習慣は、妊娠、出産といったライフイベントにもよい影響を与え、自信につながると語る。「女性たちが性的な“自由”を獲得することは、結果的に女性たちの地位向上につながるのです」。

日本では、女性が性について語ることがタブーとされ、自身のデリケートゾーンに積極的に触れたり、フェミニンケアや性に関してオープンに話したりする文化は根付いていない。男性主導の社会を変え、自分らしく生きるフランス女性たちの姿勢は、私たち日本女性がジェンダー・ギャップを克服するためのヒントを与えてくれる。その第一歩として、国際女性デーをきっかけに、フランス流のセルフケアに挑戦してみるのはいかがだろうか。


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text: Kiriko Sano

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Profile

ベランジェール・アルナール

医学博士、産婦人科専門医。
パリ第13大学医薬学部植物療法学元教授。15年間教鞭(きょうべん)を執ったのち、フランス・ボルドーのクリニックで産婦人科における植物療法の臨床に関わる。女性のウェルビーイングを推進する協会「オ・サン・デ・ファム・フランス」の会長も務め、日本では植物療法のスクールの顧問を務めるなど精力的に活動中。

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