×

『たぶん私たち一生最強』作家・小林早代子が考え抜いた新たな女の選択肢

「女友達と一生暮らしたい」と思ったことはないだろうか? 「子どもが成長したら」「老後になったら」など、いつか先の楽しみとして思い描いている人もいるはず。注目の作家・小林早代子さんの最新作『たぶん私たち一生最強』では、結婚や出産の選択が目前に迫る20代後半の4人の女性たちが主人公。自身の経験を元に、真剣に考えた“最強”の答えとは──?

何を手に入れたら「幸せな人生」と呼べるのだろう?

小林早夜子 たぶん私たち一生最強

──小林早代子さん待望の2作目『たぶん私たち一生最強』は、高校時代から仲がいい20代後半の女性4人が、半年前に失恋した一人の叫びをきっかけにルームシェアを始める物語。小林さんご自身もルームシェアをした経験があると聞きました。

20代半ばくらいに、それまで長く付き合っていた彼氏と別れて、2年間ぐらい気が動転していたんです(笑)。動転しているうちに「この先どうしたらいいかわからない」という気持ちになってしまったんですね。今思うと「20代半ばで何を言っているんだ」と思うのですが……。

当時は真剣に動揺し続けていて(笑)、友達だけが見ている鍵付きのTwitter(現:X)アカウントに、高校時代から仲がいい女友達と4人で一緒に住んでいる体で、妄想のツイートを1人でし続けたんです。「同居人が今日は夜遅くに帰ってきた」とか「ハリネズミを飼うことにした」とか。特にフィクションっぽくもなく、本当にあったことを書いた日記のようにつぶやいていたんです。

そしたら3人のうちの1人が「(そのツイート)大丈夫なの? 2年間ぐらい本当に一緒に住んでみない?」と、声をかけてくれたんです。それで他の2人にもルームシェアしないかと聞いてみたんですけど「やめておくわ」と断られてしまって。結局、2人で一緒に住み始めました。

ルームシェアをしていたのは26〜28歳までの2年間だったのですが、2人とも朝仕事に行って、退勤後は飲み会に行ったり、好きな俳優の舞台に行ったり、飲んでベロベロになって帰ってきたり……。私はその間に小説も書いていたし、お互い週末は彼氏と会ったりもしていて。振り返ると、忙しくも充実した日々でしたね。

──今作では、仕事とお金には満足している百合子、大手企業で働く多忙な澪、10年間付き合った彼氏と別れて漫画家への道を歩む花乃子、「転職したい」が口癖の亜希、個性豊かな4人の女性が主人公として登場しますが、小林さんの女友達が作品のモデルになったのですか?

友人たちと登場人物ではキャラクターが違うのですが、私自身も高校からの親友たちと4人でずっと仲良くしています。

長く付き合った彼氏と妙齢で別れた花乃子や、仕事がイケていない亜希に、自分の気持ちを投影することはありましたね。仕事ができる側の2人の登場人物の気持ちは、身近な友達を想像して作品に反映しました。

関連情報

Profile

小林 早夜子(こばやし さよこ)

1992年、埼玉県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2015年『くたばれ地下アイドル』で第14回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞。現在はアメリカ在住。

リンクを
コピーしました