『たぶん私たち一生最強』作家・小林早代子が考え抜いた新たな女の選択肢
2024.8.13
2024.8.13
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──作家を志したのはいつ頃ですか?
早稲田大学の附属高校出身で、大学進学の際に入試を受ける必要はなかったのですが、卒業論文を書く必要がありました。そこで、作家の綿矢りささんと金原ひとみさんをテーマに論文を書いたんです。
お二人が若くしてご活躍されているのに影響を受けて。その時、私はまさにお二人が注目され始めた頃と近い18歳という年齢だったので、「ちょっと自分でも書いてみたいな」と思って書き始めました。
そして、大学3年の時に、芥川賞の選考もやっていらっしゃった堀江敏幸先生のゼミに入りました。そこで本格的に小説を書くようになり、大学4年の時にR-18文学賞に出した小説でデビューして今に至ります。
──大学4年生の時に書いた『くたばれ地下アイドル』でR-18文学賞を受賞してデビュー。2作目を書くにあたってプレッシャーは感じていましたか?
1作目のとき全く注目されなかったので、プレッシャーは特になかったです(笑)。厳密に言うと、R-18文学賞を受賞して、それを収録した単行本が出るのに3年がかかって、そこから今作を出すのに6年かかっているんですね。
その間に、私より後にR-18文学賞を受賞した作家の方が、爆売れされていて。町田そのこさんや今年は宮島未奈さんが本屋大賞を受賞されていて、みなさん、ものすごく活躍されています。
もちろん刺激を受けて明るい気持ちにもなるんですけど、知っている作家さんの本が書店でたくさん展開されているのを見ると、おめでたい気持ちの反面、「私はいったい何をやっているんだろう……」と情けなく思ったりもしていた6年間だったんです。
とはいえ、私は私で小説だけでなく、20代後半の騒がしい人生を一生懸命やってきたからこそ、今回の物語を書き上げることができたのかなと思っています。

──現在は、ご結婚された旦那さんのお仕事の関係でアメリカ在住という小林さん。これから書いてみたいと思うテーマはありますか?
今回の作品では、性やセックスに関する女性ならではの悩みについてたくさん書きました。書いている時は気がつかなかったのですが、改めて読んでみると、びっくりするぐらいセックスのことばかり考えていたなと(笑)。今はセックスについては書き尽くしたという気持ちがあるので、次はもう少しさわやかなものを書きたいなと思っています。
私は言うほどデジタルネイティブではないのですが、中学・高校くらいにはもうSNSが身近にあって、実際のフェイス・トゥ・フェイスの人間関係とは別に、ネット上でのコミュニケーションも含めて「人間関係」というのが当たり前なんです。おそらく、私より若い子はもっとそれが普通になっていると思います。次回作に向けて、「青春とインターネット」のようなテーマでちょうど書き始めてみたところです。
interview & text: Akiko Yoshida photo: Tomoko Hagimoto
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『たぶん私たち一生最強』(新潮社)1,760円
一篇全文公開されている特設サイト(https://www.shinchosha.co.jp/book/351762/)がオープン。
小林 早夜子(こばやし さよこ)
1992年、埼玉県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2015年『くたばれ地下アイドル』で第14回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞。現在はアメリカ在住。
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