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【妹たちへ】真の自由とは、自分の足で立つこと 池田理代子

池田理代子さん(声楽家・漫画家)

どうしたらいいかわからない……。 女性は人生の選択肢が多く、仕事でもプライベートでも迷うことは少なくありません。そんな時、ちょっと先を生きている「姉」たちの言葉から自分らしく生きるヒントを探してみませんか。

池田理代子(声楽家・漫画家) 

誰かに何かを手渡しながら、人は生きているものです。

私に手渡してくれたのは母や、短歌の世界に導いてくれた中学校の恩師など。声楽では、世界的にも活躍された故東敦子先生に師事しました。

彼女の「一回の本番は、数百回分のレッスンに匹敵する」という言葉は、強く心に残っています。この言葉は、最近まで続けていた若手のオペラ歌手支援活動にもつながりました。

ベルサイユのばら 池田理代子

日本のオペラは舞台の数が少なく、コンクールで受賞したような一部の人しか主役を与えられません。けれど役を与えて、隠れた可能性を広げてあげると、人はどんどん育つんです。

若い才能のために自分にできること、それは若手が主役につける機会をつくることだった。この素晴らしい使命を、東先生が自分に託してくださったのかもしれません。

人生に、男女差はありません。

母から「これからは男女を区別して生きる時代ではない。男に頼って生きるとか食べさせてもらおうなんて夢にも思うな。一生働きなさい」と言われてきましたし、私も本当にそう思うんです。

自分の可能性を信じ、しっかりと働き、自分の足で立って初めて、人は真の自由を得ることができるんじゃないかしら。

※本記事は「50代からの生き方のカタチ―妹たちへ―」(関西学院大学ジェネラティビティ研究センター編纂)から抜粋し作成しています。

Profile

池田理代子(いけだ・りよこ)

声楽家・漫画家。東京教育大学(現・筑波大学)哲学科在学中より漫画執筆をスタート。代表作の『ベルサイユのばら』(集英社マーガレットコミックス)ほか、ヒット作多数。その後、東京音楽大学を卒業し、声楽家としても活躍。2009年フランスの名誉勲章、レジオン・ドヌールを受勲。2020年に『池田理代子第一歌集 寂しき骨』(集英社)を発表。

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