【はじめてのジャーナリング】3分でできる心を整える書き方ガイド
2025.7.25
2025.7.25
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吉川さんは、多くの人が心のモヤモヤの原因が分からないと言うけれど、じつは本心を見たがらないからだと指摘する。
「例えば、パートナーの行動にイライラする時。電気のスイッチを消してくれないなどのささいな行動にイライラしているのではなく、本当は『自分の話を聞いてくれないこと』にモヤモヤして、悲しさを感じているのかもしれません」
書き出すことを続けていくと、自分の内側の声に敏感になってくる。これまで気づかなかった「本当は疲れていた」「無理していた」といった感情にも、ふと気づけるようになるという。
「続けていくうちに、自分との関係が少しずつ穏やかになっていきます。何があっても、まず“自分とつながっている”という感覚が、人生の揺るがない土台になってくれるんです。私が開催しているプログラム『書く瞑想 MAY Y method』でも、ノートに気持ちを書きながら涙を流す方が多くいらっしゃいます。その涙が、自分自身を深く癒やしてくれるんです」

人は、幼少期や自己形成期の経験や感情にフタをしてしまいがちだ。特に日本人は、感情を表に出さないことが美徳とされてきた背景もあり、自分の内面を見つめることに慣れていない人が少なくない。だからこそ、紙に書き出すというシンプルな行為を重ねることで、少しずつ自己理解が深まっていくのだろう。
また、ノートに書き出すときに参考になるのが、吉川さんが紹介してくれたアメリカの作家バイロン・ケイティのアイディア。著書『ザ・ワーク』(ダイヤモンド社)に登場する「3つの事柄の分け方」は、感情に振り回されず、自分と向き合うための視点として役立つという。
①自分の事柄(Your business)
②他人の事柄(Others’ business)
③天の事柄(God’s business)
「世の中の出来事は、大きく3つに分けられると思っています。たとえば、口うるさく言う上司の発言は『他人の事柄』。でも、それをどう受け止めるかは『自分の事柄』なんです。この仕分けができるようになると、いちいち振り回されなくなって、本当にケアすべき自分の心に意識を向けられるようになっていきます」

吉川さんの新刊『本心に気づき、自分を生きる 書く瞑想ノート』では、ジャーナリングを問いとともに過ごす新しいアプローチとして紹介している。「正直であること」「評価が気になる」「自尊心を取り戻す」など、自分の内側を静かに揺らすような15のテーマが並ぶ。
それぞれのテーマには、吉川さんの言葉によるていねいな導入文や、問いと向き合うためのガイドがあり、書く瞑想の世界に自然と入っていける構成となっている。それにより、一人でジャーナリングをするだけでは気づきにくい新たな視点にも気づけるようになるだろう。また、どの問いからでも、自分のペースで書き始められるのも特徴だ。
本書は、もともと吉川さんが長年行ってきた瞑想やワークショップの実践をもとに作られており、ワークショップの多くの参加者たちは「安心できた」「自分を取り戻す時間になった」と声を寄せているという。
「自分をもっとよくしたい、変わりたい――そんな気持ちから書くのもいいけれど、まずはただ純粋に、ノートに向き合うこと。その時間が、自然と変化へと導いてくれます」
時間も道具も必要ない。たった3分でも、静かな場所でペンを持つだけでいい。その習慣がいつしか「書くと落ち着く」「ノートが帰る場所になる」という感覚を育てていく。書くことは、マインドフルネスそのものであり、いつしか自分らしい人生を歩むための羅針盤となってくれるだろう。
text: Tomoko Komiyama photo: Tomoko Hagimoto
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『本心に気づき、自分を生きる 書く瞑想ノート』
吉川めい 著
出版社:河出書房新社
発売日:2025年7月3日
ソフトカバー: 144ページ
吉川めい
ウェルネスパイオニア。現代に活かせるマインドフルネスを提唱。オンラインコミュニティ「MAE Y」主宰。2021年よりオリジナルメソッド「書く瞑想 MAE Y method」を提供。これまでに延べ1.4万人以上が受講(2025年4月現在)。日本で生まれ育ち、幼少期より英語圏の文化にも親しむ。15歳からジャーナリングを実践し、21歳でヨガを始め、13年間インドに通い伝統的なヨガや瞑想を学ぶ。母の看取りや夫との死別、2人の息子の育児など人生の大きな変遷をたどる。日本人女性初のアシュタンガヨガ正式指導資格者。adidasグローバル・ヨガアンバサダー。 Instagram:@maeyoshikawa 公式HP:mae-y.com
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