世界の美食家にとって今、最も魅力的なデスティネーションの一つがカタルーニャ州だろう。スペイン北東部、地中海に面した九州ほどの広さに、ミシュランの星を獲得したレストランが62軒もひしめき、星の総数は77にもなる。それを裏付けるように、国際ガストロノミー・文化・観光協会(IGCAT)が、カタルーニャ州をヨーロッパで初めて「世界ガストロノミー地域(World Region of Gastronomy) 2025」に選定。多彩な歴史や風土を反映し、創意工夫に富んだ美食観光の魅力を発信しようと、カタルーニャ州政府観光局はプロモーションに力を入れている。日本でも5月下旬、東京と大阪でイベントを開催。カタルーニャを拠点にグローバルに活躍するスターシェフ2人が来日し、創作の実演を交えながら、ガストロノミー・ツーリズムの可能性と魅力をアピールした。
2003年には、「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」が表紙にアドリアを起用。「The Nueva Nouvelle Cuisine(新ヌーベル・キュイジーヌ)」というタイトルで、カタルーニャを中心としたスペインが、フランスを超えて美食の中心地になったと結論づけた。「エル・ブジ」などで研さんを積み、カタルーニャの多様な歴史や複雑な風土を反映させたイノベーティブな料理を供するシェフも増え、カタルーニャは21世紀の食都となった。実際、世界中のフーディーが、ガストロノミーの最前線を体感するためだけにカタルーニャを訪れる。
そうした盛り上がりが評価され、カタルーニャ州は国際的な非営利団体のIGCATによって「世界ガストロノミー地域2025」にヨーロッパで初めて選ばれた。それを記念してカタルーニャ州政府観光局は今年、美食観光の魅力を伝えるプロモーションを世界各地で展開している。5月下旬、日本でも東京と大阪で相次いでイベントを開いたばかり。その幕開けとなったのが、「Tasty Catalonia World Tour」と題して、5月26日にザ・リッツカールトン東京(東京・赤坂)で行われたガラディナーだ。