“出来たて”の和菓子をコース仕立てで提供する「九九九」がオープン
2025.2.20
2025.2.20
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途中、カリッと揚がったあんドーナツ、アイスクリームと、もはや「和菓子?」と驚くようなメニューも登場。季節やストーリーを織り交ぜた変化に富んだコースに、ゲストはいつの間にか魅了されていく。


コースのなかでも“ライブ感”にこだわったメニューが、目の前で練り上げるわらび餅。藤田さんの手元にくぎ付けになるゲストも、黄な粉の香りがふわっと漂い、思わず頬をゆるめる。

後半に登場したのは、和と洋の菓子をハイブリッドで楽しめる2品。
藤田さんが「クレープシュゼットをイメージして、サバランのように生地と柑橘(かんきつ)を合わせた」と話す「明けの知らせ 土佐文旦」は、文旦の皮の中で、文旦の果汁を染み込ませたカステラを蒸し上げる一品。
ひと口食べると、プンッと鼻を抜ける爽やかな香りは、品種の特徴。国内でもとりわけ早く春の訪れが感じられる高知県の土佐文旦を使用しているという。

スペシャリテの「利休望(もち) チョコレート」は、“利休が望(のぞ)む”とかけた黒い餅。ゲストの向かいの棚に鎮座する、楽焼の茶盌の黒をイメージし、利休が好んだとされる黒ゴマを使用しているという。
「飾っているのは、千家に茶盌を卸されている楽焼の創始者・樂 長次郎によるお盌です。お盌をイメージしているので、“飲める”ほど軟らかいテクスチャーを表現しました」

コースを締めくくるのは、藤田さんが目の前で仕上げていく「上生菓子 練り切り」。一般的に和菓子店で並ぶ商品は、ひと月先の季節を捉えたものが多いが、出来たてにこだわる「九九九」では、和菓子の“いま”を表現している。
「和菓子屋さんでは持ち帰ることを想定して少し硬めに作られていることが多いのですが、九九九では目の前で召し上がっていただくように“みずみずしさ”や、ふわっとしっとりとしたテクスチャーを大切にしています」

藤田さんが作る練り切りは、餅粉を蒸し白餡と合わせ、つくね芋の代わりに地元・三重の伊勢芋を加えて作ったもの。郷土への想いが込められているだけでなく、伊勢芋にすることでしっとりとした食感も実現できるそう。
また、そのこだわりは、自家製のこし餡にも。丁寧に細かく濾(こ)した餡はなめらかで、みずみずしい食感の練り切りと共にいただくと、境目なくすぅっと溶けていくような食感だ。

基本のコース料金は、¥19,800(税込み、別途サービス料10%)と決して気軽な値段ではないけれど、静寂のなか心ほどかれていく口福(こうふく)な2時間に酔いしれた。
揚げ物あり、サバランのように果汁を染み込ませたカステラあり、アイスクリームありと、和菓子を軸にあふれるばかりのクリエイションが湧き立つ「九九九」。
和菓子の“いま”を体験しに、訪れてみるのはいかがだろう。

※3月1日以降は営業時間・定休日が変更になります
和菓子と茶のペアリングコース 12:00〜、限定アラカルト 15:00~23:00(LO22:30)
定休日:月曜日、火曜日
text&edit: Aki Fujii
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九九九(くくく)
営業時間:和菓子と茶のペアリングコース:15:00~/18:00~2部制(火曜は18:00~のみ)
一品揃い(和菓子と茶のミニセット):平日21:00~23:00 (L.O22:30)、土曜15:00~23:00 (L.O22:30)
定休日:日曜日、月曜日
住所:東京都港区六本木7-5-11 カサグランデミワ2F
座席数:カウンター8席
予約サイト:www.tablecheck.com/shops/999/reserve
instagram:@999_kukuku
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