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京都に“音の森”。音楽と食の賢人が仕掛ける、会話を楽しむミュージックバー「FUL」 へ

京都・河原町通から1本入った木屋町のビルの中に店を構える、“サウンドフォレスト”をコンセプトにしたミュージックバー「FUL(フル)」。プロデューサーは、京都出身でフーディーとしても知られる音楽家の田中知之(FPM)。食と音を知り尽くした賢人が仕掛けた、京都の新スポットを訪れた。

繁華街のビルの中に癒やしの“森”空間

京都では昔から、下鴨神社の“糺(ただす)の森”に代表される“鎮守の森”が神社の本殿を取り囲むように茂り、神社を外界から守りながら人々に安らぎを与えてきたと言われている。また、石畳の街並みが京都らしい風情のある木屋町は、かつては、高瀬川を通り材木が集まる街だったそうだ。そうした背景から「FUL」は、京都の繁華街に鎮静の森を築くというコンセプトをもとに誕生した。

ヴィンテージ感のあるビルの1階の入り口を開けば、古材で造られた巨大なシンボルツリーを中心に、世界中から買い付けたという熱帯植物や多肉植物といった、珍しい植物たちが生い茂る異世界の空間が広がる。北アフリカやモロッコの建築をベースにしたという店内は、ソファのラウンジ、ハイチェアのカウンター バー、テーブル席が並ぶダイニングの3つのエリアが共存。席数は全部で、78席。自然のマテリアルを使った、目新しくも落ち着きのあるインテリアが出迎えてくれる。

音楽好きでなくとも揺さぶられる圧巻の音体験

「このお店ではミュージックバーと“言えば”というものは全て外しました。巨大なスピーカーやウーハー、ダンスミュージックのような賑やかな選曲……。現代音楽だったり、ジャズ、アンビエントミュージックなどをある程度の音響で聴けて、会話を邪魔しない。そういう音楽が流れているバーがあったらと以前から考えていたんです」と話す田中。

そういった環境を形にするためには、音楽のボリュームよりも周波数や音圧にこだわる必要があったといい、最新鋭かつ最高峰と名高い米国1 SOUND社製のスピーカーを日本で初導入。10基のスピーカーやウーハーを天井に配置することで、鮮明な音が全身に響き渡りながらも、会話の邪魔をしない絶妙な音楽環境を実現している。音楽好きはもちろん、そうではない人にとっても“音の森”の居心地の良さを必ず体感することができるはずだ。

120種のナチュールと旬のカクテル、そして京風ストリートフード

「FUL」にはプロデューサーの田中の呼びかけにより、例えばインテリアは松中博之、プラントデザインは竹岡篤史(松竹園)と綛谷武史(MAESTRO)といったように、さまざまな方面のプロフェッショナルが集結している。ドリンク&フードにおいても、ミシュランガイドの公式サイト“クラブミシュラン” などにも携わるグルメ&ワインコンダクターの松尾大を迎え、こだわり尽くしたメニューがそろう。

ワインは、世界のレストランやワインバーのワインリストを紹介するStar Wine List の日本統括アンバ サダーを務めるソムリエの田代啓が、世界から選りすぐった120種以上のナチュールのボトルが常時セラーを満たす。グラスワインも、シャンパンを含め10種類は楽しめるという。また、バーカウンターには「LIQUID WORKS」の齋藤恵太が選りすぐるここにしかないリキュールがならび、ジャパニーズスピリッツや旬な食材を織り交ぜたオリジナルカクテルを提供していく。

個性あふれるワインやカクテルのおともには、松尾と美食家としても知られる田中が納得をした、フードメニューも欠かせない。ブリオッシュを使ったフレンチトーストに自家製だし巻きとホイップトリュフバターをサンドした「だし巻きサンド」や、やまつ辻田の七味とお出汁のパウダーをブレンドした「シャカ FUL ポテト だし七味」、卵黄で食べる「備前黒毛和牛すき焼きと生麩の春巻き」といった、シグネチャーメニューはどれも京都らしさを残しながらも新しい味の世界を教えてくれる。

食前食後の一杯にも、そこでじっくり語らい合うにも裏切らない、どんな用途にも寄り添う繁華街の中のオアシス。京都観光の合間にも、ぜひ足を運んでみてほしい。

text: Mio Koumura

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FUL(フル)
住所:京都市中京区河原町通三条下ル大黒町 67-3 フォーラム⻄木屋町 1F
営業時間:⽕〜⽇ 17:00〜27:00(FOOD 26:00、DRINK26:30 L.O.)
定休日:月
席数:78 席(バー:22席、ダイニング:28席、ラウンジ:28席)
公式サイト:http://ful-kyoto.com

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