地域文化とつながる、温泉旅館で日本の魅力を発見する旅。北海道の「界 ポロト」で「アイヌ文化」にいだかれる
アイヌ文化伝統の建築「ケトゥンニ」を基本構造とした「とんがり湯小屋」がアイコニック
「王道なのに、あたらしい。」をコンセプトに、日本を代表する温泉地22カ所で展開している星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」。各地に受け継がれる伝統的な温泉文化を守りつつ新たな価値を創出し、一生モノの感動をゲストに伝えていく。今回ご紹介するのは、「界 ポロト」。アイヌ民族の人々が育み守っていた豊かな文化が根付く土地だからこそ出会える「界」ならではの温泉旅館の新しい楽しみ方とは?
新千歳空港から車で約40分、札幌から約65分という場所にありながら、四季を通じて自然の豊かさを堪能できる北海道白老町。ここには木々に囲まれた美しい湖がある。湖の名は「ポロト」。先住民族アイヌの言葉で「大きな沼」を意味する。かつて白老にはアイヌコタン(集落)があり、2020年には湖畔に国立の民族共生象徴空間「ウポポイ」が誕生した。そのすぐ隣に立つのが、「界ポロト」。宿の随所にアイヌ民族固有の文化や風習を取り入れたデザインやアート、サービスが採用されている。
客室はすべて湖に面したご当地部屋「□の間(しかくのま)」だ。アイヌ民族伝統の住居チセから着想を得て、家の中心に据えられていた四角い「炉」をイメージしたテーブルが置かれている。
温泉付きの客室「□の間」には、アイヌ文化から着想を得たアートも飾られ目にも楽しい
世界でも珍しい「モール温泉」も魅力だ。天然植物由来の有機物や美容液に使われる成分「フミン酸」を含み、皮膚の再生も促す美肌の湯。独特なとろみと香り、茶褐色の湯が特徴だ。大浴場は2つ。「とんがり湯小屋」にある大浴場「△湯(さんかくのゆ)」には、源泉かけ流しの「あつ湯」と、心身を鎮静させる「ぬる湯」があり、露天風呂では自然との一体感を感じられる。「〇湯(まるのゆ)」のドーム天井の丸い穴からは柔らかな光が差し込む。瞑想にぴったりの空間だ。
アイヌ民族の人々にも長く慈しまれてきた「モール温泉」。泉質はアルカリ性で、古い角質を落とし肌の代謝を高める「美肌の湯」。北海道遺産のうちのひとつ
夕食には、山海の恵み溢れる北海道の食材が活かされた、この宿限定の特別会席を。「宝楽盛り」では、丸木舟形の器でアイヌ文化特有の情景を演出。メインは、魚介の旨味が凝縮した濃厚スープでいただく「毛蟹と帆立貝の醍醐鍋」。シメのリゾットも絶品だ。
ディナーのメインは、魚介を煮込んだ濃厚なブイヤベーススープに、北海道を代表する食材を加えた「毛蟹と帆立貝の醍醐鍋」
土地により親しむなら、「その地域、その季節ならではのおもてなし」にこだわる「界」を象徴するオプションプラン「手業のひととき」を。ここでは、アイヌ文化の伝承者から直接指導を受けられる「アイヌ伝統歌『ウポポ』を奏でるひととき」で貴重な体験が可能だ。こんな風に地域文化との架け橋となってくれる宿なら、滞在するだけで地元の豊かな伝統と溶け合える。これこそが、「界 ポロト」が提案する全く新しい、上質で豊かな旅のかたちなのだ。
アイヌ民族が魔除けとして日常的に身に着けていた植物「イケマ」を使ったお守り「イケマと花香の魔除けづくり」を学ぶ「ご当地楽」
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