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あらゆる可能性にしなやかに挑戦。進化する冨永愛

何らかの形でモデル以外でも活動できる道筋を作っていく支援ができないものか。漠然と考え始めたのは5、6年前。そして新型コロナウイルスが猛威を振るっていたまっただ中、思いついたのが、事務所という形だった。

今年7月、「Crossover(クロスオーバー)」という会社を設立。モデルのセカンドキャリアを支援するのが目的で、人材のマッチングやトレーニングなども行う予定だ。

「この年齢でランウェイに立つことの意味は大きい。もちろん若いことは素晴らしい。エネルギーもあり可能性も無限大だから。でもそうではないものを否定も排除もする必要はない。(事務所は)私が今、こういう立場にいるからこそできることなんです」

冨永の活動は社会貢献やチャリティーにまで及ぶ。世界の妊産婦と女性の健康を守るための活動をしている国際協力NGOジョイセフのアンバサダーを12年間務めている。現地の女性たちの置かれた状況を伝え、支援を呼びかけるのが仕事だ。今年は8月にアフリカのウガンダとザンビアへ視察に行った。

「海外では周りにいる成功した人たちが必ずと言っていいほど、チャリティーに参加している。成功は、周囲の人に支えられてのもの。自分でも何かしなければと思っている時に、ジョイセフに出会いました」 社会貢献も含め、常に新たな分野に挑戦し、自らの世界を広げている。今年1月から放送されたNHKのドラマ『大奥』もそのひとつで、徳川吉宗を演じた。「プレッシャーは大きく、本当にできるだろうかと不安ばかりだった。でも、得たものは大きいし、挑戦した自分の生き方に意義を感じます」

ブルネロ・クチネリ 冨永愛

インタビューの中で、何度か口にした言葉がある。「いい具合の年齢になってきたんじゃないか」。8月に41歳になった。「私の生き方を見て、『こういう生き方もありなんだ』と感じてもらえたら、ベストです。押しつけがましくなりたくないし」

使命感は強い。でも義務感を背負ってかたすぎるのも好まない。バランスを保つためにも、モデルの仕事があるのだという。

「やっぱりモデルという仕事が好きです。モデルは表現者だから。デザイナーの世界観の一部になれる。一つとして同じものがないし、ショーは1回限り。二度とないその瞬間に、100%以上の力を出す。デザイナーが服に魂を込めて、モデルが命を吹き込む。表現に限りがないんです」

垣根を越えるしなやかさと、あらゆる可能性に挑む力強さを内包しながら進化する。それが冨永愛の生き方だ。

聞き手: マリ・クレールデジタル編集長 宮智泉

お問い合わせ先

ブルネロ クチネリ ジャパン tel: 03-5276-8300

関連情報
  • ©︎marie claire/photos: Yoshiyuki Nagatomo / video: Shinnosuke Terunuma / styling: Miyuki Uesugi〈sense of humour〉hair: Jun Goto〈ota offlce〉/ make-up: Yumi Endo〈eight peace〉/ direction: Atsuko Kobayashi / model: Ai Tominaga / interview & text: Izumi Miyachi / costume: BRUNELLO CUCINELLI

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