×

新生「エトロ」。ブランドのヘリテージを新世代へアピール【2023年春夏ミラノコレクション】

オートクチュールやパリ、ミラノコレクションの取材を続けているファッション・ディレクターの萩原輝美さんによる最新コレクションレポート。今回は、2023年春夏ミラノコレクションで新たな魅力を発揮した「エトロ」について。

「エトロ」が新しいデザイナーを迎え、新たな展開を見せました。今までは、創業ファミリーのヴェロニカ・エトロがウィメンズ、キーン・エトロがメンズのデザインを担当し、老舗ブランドのアイデンティティーを維持してきました。ファミリービジネスからの脱皮に抜擢されたのは、マルコ・デ・ヴィンチェンツォです。マルコは「フェンディ」のアクセサリーデザイナーとして活躍しながら自身のブランドを持つ実力派です。

デビューコレクションは、大胆な植物モチーフを配したジャガードのデニムのブラトップにワイドパンツを合わせたルックで始まりました。続いて登場するショートパンツやニーハイブーツも若さをアピールしています。モヘアのタイダイニットドレスは軽やかに、ビーズ刺しゅうを施したミドリフ丈(おなかが出るくらいの短い丈)のニットはエスニックな要素をモダンに仕上げています。

ホームコレクションの生地をアップサイクルしたバッグは、リサイクルプラスチックのハンドルをつけてトートバッグに変身させました。バッグやアクセサリーも充実しています。

テーマは「エトロピア(エトロの理想郷)」。インビテーションは、エトロプリントの箱に入ったバトンです。マルコはしっかりバトンを受け取り、新しい「エトロ」の理想に向かって旅を始めました。

text: Terumi Hagiwara

【関連記事】クリエイティブ・ディレクター、マクシミリアン・デイヴィスによる新生「フェラガモ」がデビュー!【2023年春夏ミラノコレクション】

【関連記事】いま注目すべき東京発ブランドは?ジェンダーフリーやSDGsがテーマに【楽天ファッション・ウィーク】

リンクを
コピーしました