パリらしい小さなブランドに新鮮さ【マリ・クレールデジタル編集長のパリコレ日記】
2025年春夏パリコレクションが9月23日から10月1日まで開催されました。ファッションショーやプレゼンテーション、イベントなど盛りだくさん。ファッションのことだけでなく、街で見かけた気になること、パリらしいものなどをお伝えします。今回はDAY 4。
2025年春夏パリコレクションが9月23日から10月1日まで開催されました。ファッションショーやプレゼンテーション、イベントなど盛りだくさん。ファッションのことだけでなく、街で見かけた気になること、パリらしいものなどをお伝えします。今回はDAY 4。
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自由奔放に生きる女性を表現し、初めてのコレクションで一気に注目を集めたシェミナ・カマリによる2回目のコレクション。コレクションノートには「夏への憧(あこが)れ、そして夏が抱かせる気持ちを表現したかったのです」。加えて、「 ムードは明るく軽やか、センシュアルで陽気」。まさにその通り。ランジェリーの要素を取り入れた服や、風をはらんで軽やかに揺れるドレス。そして、1970年代のクロエを象徴するというブルマも登場しました。随所に70年代のエッセンスを盛り込み、今を表現する。「クロエ」のスタイルが確立したように見えました。ショーの最後に出てきたシェミナ・カマリは明るく楽しそう。インタビューのため、バックステージに入ってきた様子も明るくて、「この人がクロエのイメージそのものなのかも」と思いました。



ショーが終わると多くのブランドはRe-seeを行います。Re-seeとは「もう1回見る」ということ。ショーに登場した服は素材や作りまではわかりません。Re-seeではこれらの服を近くで見られます。ということで、ディオールのRe-seeに行ってきました。
今年はパリ五輪があったこともあり、スポーツとフェミニズムの精神を表現した服の数々はストレッチやメッシュ素材を多用していました。ここでは触ることができるので、実際の感触がわかります。展示のしかたもかっこいいです。



マレ地区にあるバッグのブランド「RSVP」の新しいお店を訪ねました。とてもシンプルで、金色のボタンのような金具がアクセントのバッグが人気です。店内もデザイナーたちが選んだ様々な椅子が、ブランドの追求するクラフト的な雰囲気を演出していて、どこかあたたかい。製品はすべてシリアルナンバーが刻印されているのが特徴。その数もそれぞれ最大で500に限定しています。
店を訪れた時にはデザイナー夫婦がいて、店のことを丁寧に説明してくれましたが、午後4時過ぎには、「子供を迎えに行くので」と2人は帰っていきました。自分たちの生活も大切にしている感じが、とってもよかった。

ちょうど1年前、パリでとても心に残るブランドと出会いました。名前は「エコール・ド・キュリオジテ」。どこか昔のヨーロッパの雰囲気を感じさせる服の数々で、2016年に誕生しました。
実は、作家の原田マハさんとデザイナーの伊藤ハンスさんのデュオによるブランドなのです。原田さんが物語を書き、伊藤さんが服をデザインして物語の世界を表現していくという、ユニークな制作方法をとっています。
今回のテーマは「Ophelia(オフィーリア)」。そうです。シェークスピアの戯曲「ハムレット」に登場するハムレットの恋人です。ふたりが選んだのは英国の画家、ミレーの描いた「オフィーリア」。この絵をもとに原田さんが物語を書きました。オフィーリアといえば亡くなりますが、伊藤さんは原田さんに「オフィーリアを弱い女性に描かないで」と言ったそうです。
ジャケットやブラウスなど、服はすべてフランスで作られており、時には古い機械を使ったり、昔からの職人さんに仕事をお願いしたり。大量生産の中で忘れてしまいそうな丁寧なものづくりをしています。
物語は原田さんが書いたものだけでなく、服を作る過程にも物語がたくさんある。その物語を自分だけの楽しみとして着る。そんなことができるブランドです。
最も印象に残ったのが、写真のドレス(写真があまりうまくなくて、すみません)。袖のところには手の込んだプリーツが施され、えもいわれぬ美しさがありました。しかも、単に女性らしい、というのではない美しさです。
text: 宮智 泉(マリ・クレールデジタル編集長)
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