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ジュネーブで時計見本市開催! 年に1度のビッグイベントに業界が熱狂

世界最大級の時計見本市「Watches & Wonders Geneva 2023」(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2023)の会場

3月27日から4月2日まで、スイス・ジュネーブで世界最大級の時計見本市「Watches & Wonders Geneva 2023」(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2023)が開催され、取材に赴いた。今年はロレックス、カルティエ、パテック フィリップ、グランドセイコーなど、48の時計ブランドが出展した。

スイス・ジュネーブの時計市は世界中から人が集まる一大イベント

あちこちに立ち並ぶ時計ブランドのフラッグや広告、頻繁に往来する臨時のシャトルバス――。ジュネーブに入ると「Watches & Wonders Geneva」が街にとっての一大イベントであることがすぐにわかる。

ジュネーブの観光名所「モンブラン橋」に立てられたWatches & Wonders Genevaのフラッグ
ジュネーブの観光名所「モンブラン橋」に立てられたWatches & Wonders Genevaのフラッグ

主催者の発表によると、開催期間中の来場者数は4万3000人と、過去最高を記録した。これは昨年の約2倍の数で、リアルイベントの完全復活を象徴しているかのようだ。また、ここ数年の時計界の活況を物語る数字でもある。

展示会場のそばに立ち並ぶ時計ブランドのフラッグ
展示会場のそばに立ち並ぶ時計ブランドのフラッグ。天気がいい日は山が綺麗に映る

シャネル、ボーム&メルシエ、グランドセイコー…豪華絢爛なブランドブースの数々

会場は連日、各国のジャーナリスト、リテーラーなどでにぎわった。入場時には手荷物検査があるのだが、大行列ができた日もあった。会場内には各ブランドが世界観を表現したブースを展開し、新作が展示されていた。

ジュネーブ時計見本市・シャネルのブース
シャネルのブース。円形のミラーが回転し、独創的な世界観を演出していた

会場中央の大ホールで行われた記者会見やブランドトップによる基調講演は、世界に同時配信された。

ジュネーブ時計見本市・ボーム&メルシエのブース
ボーム&メルシエのブース。今年50周年を迎えた「リビエラ」の巨大なケースが来場者を迎えた

ショパールの会見では、今後すべてのスティール製ウォッチに80%リサイクルスティールを採用するという、サステナビリティ分野における公約を発表。グローバル・アンバサダーを務めるジュリア・ロバーツさんも登場し、会場を沸かせた。

ジュネーブ時計見本市・グランドセイコーのブース
グランドセイコーは去年につづき2度目の出展となった。日本らしい美意識の宿る造作で、やはり心が落ち着いた

リアルイベントで再認識する時計の楽しさ

現地に足を運んで実感するのは、やはり異様な熱気だ。新製品を披露するブランド関係者の表情は喜びに満ちあふれ、それを聞くジャーナリストには感動や驚きが自然とこみあげている様子だった。会場内に多数ある食事スペースや、もっと言えば帰りの国際列車でも、参加者が「あれは最高だった」と感想を共有し合う様子が見られた。扱うものはもちろん高価だが、どこかカジュアルな光景である。こうした体験を通し、時計の世界は決して一部の愛好家や富裕層だけに限られたものではなく、本質的に自由で楽しいものであるということを再認識した。

ジュネーブ時計見本市の様子
会場には食事や打ち合わせのためのスペースが多数あり、リラックスした雰囲気が流れていた

業界として一堂に会し発信されるエネルギーは非常に大きい。これからどんな新しいムーブメント(動き)が生み出されていくのか、今後も目が離せない。

text: Shunya Namba@Paris Office

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