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ドリス ヴァン ノッテンからクリスチャン・ルブタンまで。今、ブランドのアイデンティティを見つめ直す【2023年秋冬パリコレ通信】

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オートクチュールやパリ、ミラノコレクションの取材を続けているファッション・ディレクターの萩原輝美さんによる最新コレクションリポート。2023年2月~3月にかけて開催されたパリファッションウィークの最新情報を現地からお届け。

ミラノに続き、2023年秋冬パリコレクションが2月27日から3月7日まで9日間の日程で開催されました。全てのブランドがリアルなショーで発表することになりましたが、コレクション規模としては、小さな会場を選ぶところが多くなっています。

今シーズンは新型コロナという非日常の経験を経て原点に戻り、ブランドのアイデンティティを見直すコレクションが注目されています。

ドリス ヴァン ノッテンのインビテーションには、金のプレートが挟まれていました。ゴールドはドリスがよく使う色ですが、やはり華やかな気分になります。

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ショーはコンサートホールを小さく使い、モデルは客席の間をキャットウォークします。ステージにはミラーが置かれ、会場全体でランウェイが見られる設計です。ドリスらしい緩やかなテーラーリングジャケットにシフォンのプリントスカートを合わせ、コントラストのあるルックを並べました。

どのブランドもコロナを経て、何が日常か非日常かを探っています。日常に華やかなアイテムを取り入れたり、ベーシックアイテムでドレスアップするようなコーディネートのバランスが旬になりそうです。

また、人が集まる場である劇場を使ったコレクションも目立ちました。「クリスチャン・ルブタン」は、靴のブランドですが、オペラ=コミック座というシアターでアイコンであるレッドソール誕生の30周年を祝うプレゼンテーションを行いました。

サデック・ベラバの振り付けによるダンスパフォーマンスが行われ、終了後にホワイエで新作のシューズを見ながらカクテルパーティーを開催。「赤はエンパワーメントを常に視覚的に思い出させる色です」とクリスチャン・ルブタンは言います。真っ赤な緞帳(どんちょう)やビロードの椅子に囲まれたシアターでのパーティーは、夜遅くまでお祝いの気分を高めていました。

text: Terumi Hagiwara

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