「パリ2024オリンピック」に出場、競技と母親業を両立するママアスリートたち
2024.8.10

Steph Chambers / Getty Images
選手村に初めて授乳室と託児所が設置されたことでも話題を呼んでいるパリ2024オリンピック。テニス・大坂なおみ選手をはじめ、今大会に出場した世界のママアスリートを紹介する。マリ・クレール インターナショナルのメキシコ版デジタル記事よりお届け。
2024.8.10

Steph Chambers / Getty Images
選手村に初めて授乳室と託児所が設置されたことでも話題を呼んでいるパリ2024オリンピック。テニス・大坂なおみ選手をはじめ、今大会に出場した世界のママアスリートを紹介する。マリ・クレール インターナショナルのメキシコ版デジタル記事よりお届け。
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ハイパフォーマンスなアスリートであると同時にママであることは簡単なことではないが、彼女たちは完璧なバランスを保ちながら、それを実現している。
パリ2024オリンピックは、いくつかの側面で歴史を作っているが、そのうちのひとつは男女同数の選手が出場することによるジェンダーパリティ(ジェンダーの公正を実現するための統計的な尺度)の達成である。それにはこのスポーツイベントに参加するママアスリートへのサポートも含まれる。

一例として、アスリートたちがオリンピック期間中、(スポーツ選手であり、ママである)生活の両面を最大限に活用しながら、子どもたちと充実した時間を過ごせるよう、オリンピック選手村には授乳室と託児所が設置された。
この大きな一歩は、現在国際オリンピック委員会(IOC)のアスリート・コミッショナーである米陸上界のスター、アリソン・フェリックスの個人的な経験によってもたらされた。
「私は娘を出産した後、最高レベルで競技することがどれほど難しいかわかっていましたが、現実的な問題のいくつかは本当に難しいものでした。だから、IOCのアスリート委員会に参加したとき、スポーツをする母親たちの代弁者になりたかったのです。
競技のプレッシャーの中で、彼女たちが心配なことをひとつでも減らすこと。それは、女性たちが母親であることを選択することができると同時に、自分の競技の頂点に立つことができ、すべてを全うできるということをまさに伝えていると思います」と、彼女はオリンピック公式サイトに語った。
トップアスリートであり、ママであることは、簡単なことではない。だからこそ、我が子という最大の原動力のひとつに突き動かされながら、パリ2024オリンピックでそれぞれの種目の競技に全力で打ち込むママアスリートたちを紹介したい。
ハネト・ゴメス・“ゴミータ” / 重量挙げ – メキシコ
メキシコ中部ハリスコ州出身のハネト・ゴメスは、メキシコ代表としてふさわしい選手であり、今回が初めてのオリンピック出場となる。当初は、娘の世話とトレーニングを両立させるのは容易ではないと考えていたが、時が経つにつれ、小さな娘は彼女にとって最大のインスピレーションとなり、今は彼女のトレーニングを指導さえしているという。
彼女はインスタグラムのストーリーズで、パリ2024大会でママアスリートへのサポートが行われることを彼女自身がいかに喜んでいるかを示し、子どもを持ちながらも夢を追い続ける女性がますます増えていると主張している。
クラリス・アグベニュー / 柔道 – フランス
6度の世界チャンピオンに輝いたクラリスは、東京2020大会後にキャリアを休止。2022年6月、娘のアテナを出産したわずか11か月後の6度目の世界タイトルを獲得した。
「ディオール」のアンバサダーでもあるこの柔道家は、トレーニングセッションや大会に小さな娘を連れて行き、セッションの合間には母乳を与え、臆することなく母親業を実践している。現在、彼女の夢のひとつは、2024年のパリ大会でメダルを獲得し、最大のインスピレーション源である娘にプレゼントすることだ。(女子63kg級で銅メダル、フランスは混合団体で金メダルを獲得した)
インスタグラムへの投稿で、彼女はこう書いている。「母親として、私の女子スポーツの定義は……この2つを調和させるためにベストを尽くすこと」
ブルック・フランシスとルーシー・スプアーズ / ローイング – ニュージーランド
ボート競技と母親業でパートナーのブルック・フランシスとルーシー・スプアーズは自由な時間に一緒に子どもと過ごす様子を何度か披露している。
2023年9月に行った共同投稿の中で、ふたりはこう書いている。「母親になるということは自分のすべてをささげることで、私たちがこれまでしてきたことの中で最も心が満たされることですが、厳しいことでもあります」
「私たちはアスリートとしての自分たちを知っていましたが、母親になることを学ぶ間、自分たちが知らなかった特別な強さと忍耐力に頼らなければなりませんでした」とふたりは付け加えた。
(女子ダブルスカルで金メダルを獲得した)
ヴァレリアンヌ・アヤイ / バスケットボール – フランス
フランス代表のヴァレリアンヌ・アヤイは、東京2020大会に出場する際に妊娠していた。ママとなった彼女は、競技中でも娘アラニに母乳を与えることで、タブーを破ろうとしている。
オリンピック選手村の授乳室について、彼女はオリンピック公式サイトで次のように語っている。「自由時間でチームと一緒にいないときは、娘のそばにいることができます。母乳をあげたり、世話をしたり、ご飯を食べさせたり、お風呂に入れたり、母親として必要なことはすべてできるのです」
「娘はまだ幼く、長い間ひとりにしておくことなんて考えられませんから、これは重要なことです。母親のメンタルヘルスにとっても重要です」と彼女は付け加えた。
ブリト・エールラント / 卓球 – オランダ
オランダ出身の卓球選手ブリト・エールラントは2023年に出産。そのわずか4か月後にスポーツを再開し、「スーパーママ」というニックネームがつけられた。
ランキングのルールのおかげで自身の成績を維持し、ハイレベルなトーナメントに参加することができた彼女は、何度か競技に参加する際に母親が必要とするサポートについて発言している。
彼女はパリ2024オリンピックに向けて、小さな息子とともに準備を進めてきた。息子は母親の支えかつモチベーションとして、今回のオリンピック出場というミッションに同行している。
(残念ながら女子シングルス3回戦で敗退)
シェリー=アン・フレーザー=プライス / 陸上競技 – ジャマイカ
5度目のオリンピック出場となったジャマイカの陸上界のレジェンドは、2017年に息子ザイオンを出産してからも、100mの世界タイトルを2度獲得している。
「マミー・ロケット」の異名を持つ彼女(以前は「ポケット・ロケット」として知られていた)は、かつてSNSで「母親であり、アスリートであることの両立は綱渡りのようですが、私はそれを楽しんでいます」とシェアしている。彼女の強さは、小さな息子と夫、そして家族全般に起因しているのだ。
(女子100mで2008年北京大会、2012年ロンドン大会で金メダルを獲得した彼女は今回同種目準決勝で棄権した)
大坂なおみ / テニス – 日本
女子プロテニス選手の大坂なおみは2023年7月に長女シャイを出産した。2度目のオリンピックとなった今大会の、ちょうど1年前のことである。彼女にとって、メンタルヘルスの重要性とウェルビーイングについてオープンに話すことは非常に重要であり、現在は母親であることについても話している。
これはSNSで発信していたメッセージの一例だ。「夢を追い続け、同時に母親である自分を誇りに思います。そして自分の条件で、自分の時間に合わせて、仕事に復帰できるサポートがあることは幸運なことだと認識しています」
残念なことに、彼女のオリンピックでの戦いは、今大会を最後に引退表明していたドイツのアンジェリック・ケルバーに初戦で敗れた。
彼女たちは、自分の夢を諦めることなく、トップアスリートであることと母親であることのバランスを保つことができるというお手本である。今、私たちはただパリ2024オリンピックでの彼女たちの活躍を見守るべきだろう。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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This article was originally published on Marie Claire MEXICO
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