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クセ強めな秀作が続々公開に! 授賞式前に観ておきたい「アカデミー賞2023」ノミネート注目作

主要3部門ノミネート!『逆転のトライアングル』(公開中)

Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

アカデミー賞  3部門ノミネート
作品賞・監督賞・脚本賞


ヒエラルキーの大逆転劇を皮肉たっぷりに描くブラックコメディ

第75回カンヌ国際映画祭で会場を爆笑させ、最高賞(パルムドール)に輝いたスウェーデン出身の鬼才リューベン・オストルンド監督作『逆転のトライアングル』。驚くべき人間観察眼とセンス抜群のブラックユーモアで現代社会を風刺たっぷりに描き出す、“ブラックコメディの申し子”オストルンド監督は、2014年『フレンチアルプスで起きたこと』でカンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を、続く2017年『ザ・スクエア 思いやりの聖域』では同映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞。本作でも再びパルムドールを受賞するという快挙を成し遂げ、2回連続でパルムドールを受賞した史上3人目の監督となった。

Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

今年度アカデミー賞の主要3部門にノミネートされた『逆転のトライアングル』は、ルッキズムや現代階級社会などをテーマに、男性優位な格差社会を痛烈に皮肉り、ヒエラルキーの大逆転劇を描いたエンターテインメント作品。美しさが経済的価値を持つファッション業界を舞台にするにあたり、ファッション・フォトグラファーのパートナーを持つ監督自身の経験や彼女から見聞きしたこともヒントとなったという。

物語の軸となるのは、ルッキズムを絵に描いたようなモデルカップルで、イケメンながら落ち目のメンズモデル、カールを演じたのは、映画『ザリガニの鳴くところ』や『キングスマン:ファースト・エージェント』などの出演で知られるハリス・ディキンソン。売れっ子モデルで人気インフルエンサーのヤヤを演じたのは、モデル出身のチャールビ・ディーン。彼女は2022年、32歳の若さで急逝し、俳優デビューを果たした本作が遺作となった。

Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

この作品は3つのパートで構成されているが、ヤヤ役の故チャールビ・ディーンのインタビューによると、主演の2人に脚本は渡されず、撮影中も内容が変わり、どんな結末を迎えるのかも知らなかったという。そんな予想もつかないエンディングに向かって展開するストーリーの中で、圧倒的な個性を発揮するのは、アカデミー賞3度のノミネート経験を持つ名優ウディ・ハレルソン。また物語の後半、主役級の存在感で強烈なインパクトを残すフィリピン出身俳優ドリー・デ・レオンの演技も必見。今回、50代にして国際的映画に初出演となった彼女はゴールデン・グローブ賞助演女優賞にノミネートされた。

毒っ気とユーモアと知性がさえ渡るオストルンド監督の鬼才ぶりが遺憾なく発揮された本作が、2019年パルムドールとアカデミー賞作品賞をダブル受賞した『パラサイト 半地下の家族』に続き2冠達成となるか、注目を集めている。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
3月3日(金) TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー
https://gaga.ne.jp/eeaao/
配給:ギャガ


『イニシェリン島の精霊』
全国公開中
https://www.searchlightpictures.jp/movies/bansheesofinisherin
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン


『逆転のトライアングル』
全国公開中
https://gaga.ne.jp/triangle/
配給:ギャガ


『バビロン』
全国公開中
https://babylon-movie.jp/
配給:東和ピクチャーズ


『RRR』
全国公開中
https://rrr-movie.jp/
配給:ツイン

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