クセ強めな秀作が続々公開に! 授賞式前に観ておきたい「アカデミー賞2023」ノミネート注目作
2023.2.28
2023.2.28
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アカデミー賞 8部門9ノミネート
作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞・助演男優賞2人・助演女優賞・作曲賞・編集賞
鬼才マーティン・マクドナーが描く奇妙で滑稽で切ない人間ドラマ
2017年、『スリー・ビルボード』で賞レースを席巻した鬼才マーティン・マクドナーが監督と脚本を手がけた『イニシェリン島の精霊』は、長年の友情が壊れた男たちを物悲しくもユーモラスに描き出す、奇妙で滑稽で切ない人間ドラマ。アイルランド内戦時代の1923年、平和でのどかな離島で暮らす、素朴で気のいい男パードリックが、長年の飲み仲間で親友と信じて疑っていなかったコルムから、まるで子供のけんかのように「お前が嫌いになった」と突然、絶交を告げられるところから物語はスタートする。
理由もわからず絶縁状をたたきつけられ、苦悩する主人公パードリック。その悲哀やおかしさを繊細に演じたコリン・ファレルは主演男優賞にノミネートされ、第79回ヴェネチア国際映画祭男優賞や前哨戦のゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞。また老境に差し掛かった気難しいフェドル吹きのコルムを演じたブレンダン・グリーソンは、助演男優賞にノミネートされている。
今回2人は、2008年のマクドナー監督作品『ヒットマンズ・レクイエム』以来の共演となり、それぞれが演じるキャラクターは監督の当て書きによるもの。だからこその絶妙な掛け合いと2人の名優が生み出すケミストリーが本作の大きな見どころとなっている。
イニシェリン島のエキセントリックな人間関係に奥行きを出す、クセ強めな登場人物たちにも注目。パードリックの妹で、聡明で読書家なシボーンを演じたケリー・コンドンは助演女優賞の候補に、パードリックの若き友人で道化者のドミニクを演じたバリー・コーガンは助演男優賞にノミネート。2人とも今年の英国アカデミー賞を受賞し、作品自体も英国作品賞の座に輝いている。
ブラックコメディの名手とも言われるマクドナー監督ならではのダークなユーモア、妖精伝説や神話が息づくアイルランドの美しい自然と神秘。多様な要素が入り混じった独特の世界観とサスペンスに満ちた予測不能な展開が魅力で、作品賞、監督賞など主要部門にノミネートされている本作。観終わった後には今まで味わったことのないようなディープな余韻に浸れるはず。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
3月3日(金) TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー
https://gaga.ne.jp/eeaao/
配給:ギャガ
『イニシェリン島の精霊』
全国公開中
https://www.searchlightpictures.jp/movies/bansheesofinisherin
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
『逆転のトライアングル』
全国公開中
https://gaga.ne.jp/triangle/
配給:ギャガ
『バビロン』
全国公開中
https://babylon-movie.jp/
配給:東和ピクチャーズ
『RRR』
全国公開中
https://rrr-movie.jp/
配給:ツイン
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