ブシュロンが新作ハイジュエリーコレクション「手つかずの自然」を発表

ブシュロンは1月、新作ハイジュエリーコレクション「UNTAMED NATURE(手つかずの自然)」を発表した。命ある自然そのままの姿をとらえ、生きた百科事典ともよぶべきクリエイティビティあふれる28点の作品が生み出された。

ブシュロンは1月、新作ハイジュエリーコレクション「UNTAMED NATURE(手つかずの自然)」を発表した。命ある自然そのままの姿をとらえ、生きた百科事典ともよぶべきクリエイティビティあふれる28点の作品が生み出された。
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ブシュロンは毎年1月と7月に、異なるコンセプトのハイジュエリーコレクションを発表している。独特な感性を持つクリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌが自ら発表するコレクションには、毎回新しく、既成概念にとらわれない革新的な表現が見られる。1月に発表される「ヒストリー オブ スタイル」コレクションは、メゾンがたどった歴史やヘリテージ作品を着想源に現代的な解釈を加えたクリエイションとして位置づけられている。


今回の「ヒストリー オブ スタイル」コレクションでクレール・ショワンヌが掘り下げたのは、手つかずの自然。ブシュロンの創業者フレデリック・ブシュロンの時代から、自然はメゾンにとって尽きることのないインスピレーション源となってきた。フレデリック・ブシュロンは、当時のジュエリー界で流行した高貴な花々や威厳ある動物ではなく、むしろ控えめに見えるクローバー、デイジー、野バラ、アザミといった素朴な草花や、蝶(ちょう)やコガネムシ、トンボといった小さな生きものに惹(ひ)かれ、正確に再現した作品を生み出した。
クレール・ショワンヌは、メゾンに継承されるユニークな自然観に敬意を払い、独自の視点で新しい次元で表現している。特筆すべきは、大胆で個性的なスタイリングを可能にするマルチウェアラブルでしなやかな風合い。植物や昆虫を精細に描き出して生まれたジュエリー作品が体を覆うさまは、まるで人が自然の中に溶け込むかのよう。ねじれた葉など、不完全さにも美を見出している。

肩を覆う大きいジュエリーは、北極圏でも自生するほどの生命力を持つ低木コケモモをモチーフにした。ホワイトゴールドの84枚の葉に、異なるサイズのダイヤモンドがすき間なくセッティングされている。茎の部分はいくつかのパーツに分かれ、取り外しが可能だ。ネックレスとしても、体を覆うほどのカスケードブローチとしても、小さなブローチとしても着用可能。細部の葉の部分が可動するように仕上げられ、しなやかな着け心地を実現している。葦(あし)をかたどったヘッドジュエリーは、ネックレス、ブローチ、ブレスレットのバージョンもある。

今回のコレクションにおいて唯一、アーカイブ作品からのインスピレーションでなく、クレール・ショワンヌの着想によって制作されたのが、ニンジンソウを表現したブローチ。ハイジュエリー作品で構成する植物事典に野生の可憐(かれん)な花を加えたいというクレールの夢が込められている。ダイヤモンドを3種類のセッティングで施し、美しい光の反射と華やかなきらめきを引き出している。ヘッドジュエリーとしても着用可能だ。ハチ、テントウムシ、ハエといった昆虫も、繊細な造形美を持つクリエイションとして生まれ変わっている。

ヘッドジュエリーのモチーフは、豊かさ、繁栄、生命の象徴とされるオーツ麦。ブローチにも形を変えるマルチウェア仕様だ。わずかな動きに合わせて穂が繊細に揺れ動き、生き生きとした姿を表現している。昆虫のモチーフもリアルながら美しい。クワガタムシのブローチは、腹部の下に隠されたダイヤモンドのボタンを押し、触角を軽くつまむことでダブルフィンガーリングに形を変える。夜行性の蝶はこれまでのアーカイブにも度々見られるモチーフだが、今回の作品には高度な技術が光る。4枚の翅(はね)は、色調が完全に一致する白とグレーのグラデーションのマザーオブパール4つを組み合わせて構成されている。翅の表面の脈相は手作業のエングレービングで表現。先端にはブラックラッカーによるドットと、バゲットカットのダイヤモンドがあしらわれ、その魅力をさらに引き立てている。
ブシュロンによるハイジュエリーの百科事典には、他にも多様な植物や昆虫が登場している。じっくりと観察し、ありのままの自然の美しさに思いを馳せてみては。
text: Shunya Namba @Paris Office
photos: Boucheron
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