×

甘えてもいいの? 駐車場の片隅に暮らすお母さん猫「チャイさん」が心を開くまで

駐車場の片隅に、ひっそりと人目を避けるように暮らしていた1匹の猫がいました。その猫の名はチャイさん。やせ細り、威嚇の「シャー」とともにパンチを繰り返す姿は、誰からも愛を拒んでいるかのようでした。しかし、2023年8月、『保護猫カフェ catloaf』のスタッフによって保護され、その運命が大きく変わったのです。

野良猫チャイさんが人を信じるまで

保護のきっかけは、カフェ近隣からの「目が見えない子猫がいる」という連絡でした。香川県高松市で「保護猫カフェ catloaf(キャットローフ)」を営むオーナーの増田さんは、現場へ駆けつけます。

そこで目にしたのは、5匹の子猫と2匹の大人の姉妹猫、そしてすでに命を落としていた子猫が1匹。子猫たちは風邪で目がふさがったり瀕死(ひんし)の状態だったので、まず先に保護され、次に人なれしていたお母さん猫のメイさん、続いて同じくお母さん猫のチャイさんが保護されました。痩せ細って毛はボサボサ、とても大人の猫とは思えないほど弱々しい姿でした。

保護猫チャイさん、catloaf8
チャイさん ©「保護猫チャイさんの日常」
保護猫チャイさん、catloaf9
右がチャイさん、左はお姉さん猫のメイさん ©「保護猫チャイさんの日常」

「チャイさんは人なれしておらず、最初はものすごく威嚇していました。特に人が近づくだけでシャーッと威嚇して、パンチを繰り返すほど警戒心が強かったんです」と増田さんは語ります。

保護された後、チャイさんはしばらく増田さんの自宅で過ごすことになりました。感染症の影響を防ぐために、カフェに連れて行く前には1ヶ月以上の隔離期間が必要なためです。しかしチャイさんは、人への警戒心が強いため、その隔離期間が半年以上も続きました。

「ご飯や水を与えるたびに威嚇され、ケージの中でパンチされることは日常茶飯事でした。でも、毎日おやつを与えたり、なでたりを繰り返しましたね。おもちゃで遊んでくれるようになるまで、地道な努力が続きました」と増田さんは振り返ります。

その努力が実を結んだのは、4〜5ヶ月が経った頃。チャイさんは、おやつを食べながらなでられることを受け入れ、おもちゃにも興味を示すようになったのです。「あのときの感動は忘れられません」と増田さんは微笑みます。

保護猫チャイさん、catloaf6
「シャー」と威嚇しまくっていた ©「保護猫チャイさんの日常」
保護猫チャイさん、catloaf5
最初はおもちゃの遊び方がわからなかったけど… ©「保護猫チャイさんの日常」
保護猫チャイさん、catloaf4
なでられるようになった ©「保護猫チャイさんの日常」

チャイさんの姿に大反響

2020年6月にオープンした「保護猫カフェ catloaf」には、現在44匹の保護猫が暮らしています。ここでの目標は、保護した猫たちに安全な環境を提供し、可能であれば生涯、愛情をもってお世話をする飼い主さんを見つけることです。オープン当初はカフェとしての運営がメインでしたが、保護依頼が次々と舞い込む中で、保護猫たちの飼い主さんを探す譲渡活動も本格的に行うようになりました。

保護猫チャイさん、catloaf10
「保護猫カフェ catloaf」にはたくさんの保護猫がいる ©「保護猫チャイさんの日常」

そんな中でチャイさんは、SNS上で瞬く間に人気者に。Instagramに投稿されたチャイさんのリール動画は、1億回以上再生されるという驚異的な数字を記録しました。「普段通りに撮影した動画が突然バズったので驚きました」と増田さんは言います。

さらに、2025年2月には、チャイさんの1年半の記録を残した書籍「保護猫チャイさんの日常」(扶桑社)が発売されました。ツンデレでかわいいチャイさんの様子を堪能できるのはもちろんのこと、この本をきっかけに保護猫への理解が広がることを願っています。

「保護猫チャイさんの日常」
©「保護猫チャイさんの日常」
関連情報

リンクを
コピーしました