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空の旅を楽しむ時代へ。JALの最新機材がパリ線にも導入

A350-1000のファーストクラス

2024年にデビューしたJAL国際線の最新機材A350-1000が、羽田-ニューヨーク、ダラス、ロンドン線に続き、2025年5月からパリ線でも就航を開始した。6月上旬にパリ市内で行われた記念レセプションでは、こだわりの詰まった客室仕様や機内サービスのコンセプトが披露された。長距離路線でも、もっとフライトが楽しめそうだ。

20年ぶりのリニューアル、5年がかりの開発

JALが国際線主要機をリニューアルするのは約20年ぶり。この一大事業の末に誕生したのがA350-1000だ。それまで製造メーカーとして米ボーイング社を採用してきたが、A350-1000で初めて仏エアバス社をパートナーに選んだ。機体の半分以上に軽量の炭素繊維複合材を使用し、燃費の向上やCO₂の削減、騒音の低減を実現した。

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A350-1000

JALが「エアバスと5年がかりで二人三脚で作り上げた」という機材には、随所にこだわりやオリジナリティーが込められている。壁やシートには日本の伝統的な織り柄やパターンをちりばめるように取り入れ、華美ではなく、洗練されたシックな空間を演出。全クラスに導入された4Kの高精細機内モニターにはライブTV機能が搭載され、リアルタイムでテレビ放送を視聴することもできる。

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A350-1000のビジネスクラス。高い天井高や仕切り壁を設け、開放感とプライバシー性を両立した

心地よさを追求した細やかなこだわり

従来機のボーイングB777-300ERと今回のエアバスA350-1000の全長はほぼ同じだが、全席でゆとりを感じるよう配列がアップデートされた。ファーストクラスは「1-2-1」から「1-1-1」配列に、ビジネスクラスは「2-3-2」から「1-2-1」となり、一席あたりの空間が大幅に拡大。中央列天井の手荷物収納棚を廃止し、開放感のある約237cmの天井高を実現。これは一般的な住居の天井の高さとほぼ同じで、家にいるような感覚でくつろぐことができる。

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エアバスA350-1000〈〉と従来機ボーイングB777-300ER〈〉のシートマップを比較したパネル。ファースト・ビジネスクラスの一席あたりの空間を広く取る配列になった

多彩なシートアレンジが可能な完全個室仕様のファーストクラスは、最大3人掛けまで可能で、もはや部屋と呼べる広さだ。ファーストクラス同様に個室仕様となったビジネスクラスも、従来より10cm長い約198cmのベッドモード、手荷物収納スペースやガラス扉付きクローゼット、「Do Not Disturb」表示機能など、さまざまな機能を備える。両クラスに導入されたヘッドホン不要の「ヘッドレスト内蔵スピーカー」は世界初だ。

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ビジネスクラスに備えられたクローゼット
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ファースト・ビジネスクラスのシートに搭載されたヘッドレスト内蔵スピーカー

プレミアムエコノミークラスにも隣席や通路からの視線を遮るパーテーションを用意し、プライバシー性を高めた。電動レッグレストを使い、水平まで調節可能だ。エコノミークラスにも妥協がない。書籍収納スペースを機内モニター直下に移設して膝まわりのスペースを確保したほか、背もたれの角度を従来より1インチ寝かせ、快適性が向上した。左右分割式のシートポケットや、テーブルを出さずにパーソナル空間を広く使えるカップホルダーなど、細やかな配慮が光る。

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プレミアムエコノミークラスのプライバシーパーテーション

フランスとのゆかりも

パリ発のファースト・ビジネスクラスの機内食はパリのミシュラン一つ星レストラン「Restaurant Pages」の手島竜司シェフが監修。アラカルトメニューとして提供される「上州和牛のテリーヌ風押し寿司」は、パリで日本産和牛専門店「WAGYU RESTAURANT 1129」を経営するSARL OMATSU FRANCEとの協働により実現している。日本産和牛を海外輸出後に現地でスライス加工して機内食として提供する試みは世界初だ。JALは近年、新時代の才能を発掘する料理人コンペティション「RED U-35」とのコラボレーションも進めている。上位入賞を果たした若手シェフが趣向を凝らし、栄養素や食べ合わせなどを工夫した心にも体にもやさしい機内食は、プレミアムエコノミー・エコノミークラスで味わうことができる。

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プレミアムエコノミー・エコノミークラス機内食の一例

機内やラウンジで楽しめるJALオリジナル芋焼酎「鶴空」は、千葉県成田市で収穫される本来は食用の「紅はるか」「紅あずま」からできている。毎年パリで行われるフランス人ソムリエによる酒類コンクール「Kura Master」において「鶴空50/50」が、2022年に芋焼酎部門の金賞を受賞。折り紙付きの銘柄だ。

ファースト・ビジネスクラスのアメニティーキットや機内紙コップのデザインで協働するのは、岩手県盛岡市のヘラルボニー。知的障がいのある人が描いたアート作品を発掘し、ライセンス契約を結んで顧客に提供するスタートアップ企業だ。2024年5月にパリで開かれた欧州最大級のテックイベント「ビバテクノロジー」で発表された「LVMHイノベーションアワード」において、日本企業として初めて部門賞を受賞し、パリのスタートアップ集積施設「StationF」でも活動を行っている。JALはアートを通じた多様な価値観とのつながりの創出を目指している。

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ヘラルボニーとコラボレーションしたアメニティーキット(仕様は定期的に変更)
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彩り豊かな機内紙コップデザイン(仕様は定期的に変更)

A350-1000は、JALが国内外の多くの企業と思いを共有してたどり着いた機材といえる。羽田-パリ線では、2025年5月1日から隔日で使われている(5月5日から6月30日は毎日運航)。

text: Shunya Namba @Paris Office
photos: © Japan Airlines

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