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作家・柚木麻子、最新作『あいにくあんたのためじゃない』に込めた想い

柚木麻子 ゆずきあさこ

国や環境によって、求められるものは変わる

さらに、イギリスと日本の違いを感じたエピソードを話してくれた。

「イギリスで著者近影を送ってほしいと言われたので、とっておきの無邪気で若く見える写真を送ったんです。ところがこちらイギリスでは不評なようで、他になにか写真はないか、と(笑)。日本で女性作家の著者近影というと、少し少女っぽくて、優しい感じがあって、少し遠くを見ていて、空想の世界で遊んでいるようなものを求められる。ところがイギリスは、明るい小説を書いている人でもクールな写真が使われているんです。とんでもない豪邸の薄暗い部屋で、眉間に深いシワを寄せて、ふてくされているのが粋なんですよ(笑)」

場所によって、受け取られ方も求められるものも変わることを体感した柚木さん。

「悩みがあっても、その悩みは場所が変われば解消されるかもしれないという視点は、常に持っていていいのではないかと思います。ついつい自分のせいにしてしまいがちですが、自己否定せずに少し引いて見てみると、実は今いる環境のせいなのかもしれない。そう思うと、とてもラクになると思うんです」

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interview & text: Akiko Yoshida  photo: Tomoko Hagimoto

関連情報
  • 『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)1,760円


    「めんや 評論家おことわり」が試し読み全文公開されている特設サイト(https://www.shinchosha.co.jp/special/aitame/)がオープン。

Profile

柚木麻子(ゆずきあさこ)

1981年東京生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。ほかの作品に『私にふさわしいホテル』『ランチのアッコちゃん』『伊藤くん A to E』『本屋さんのダイアナ』『マジカルグランマ』『BUTTER』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『オール・ノット』などがある。Ⓒ新潮社

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