ミュシャのアーティストとしてのマルチな才能を紹介する展覧会。作品約160点を展示

本展では、チェコ在住のズデニェク・チマル博士のコレクションの中から特にデザインの仕事に着目し、ベル・エポックの時代を象徴するミュシャ芸術の作品約160点を展示する。

故国チェコ、およびウィーンにいた時代に画家を目指したミュシャは、20代半ばを過ぎた頃、芸術の街・パリのアカデミー・ジュリアンに入学し、その後生計を立てるために雑誌や書籍の挿絵やポストカードを制作。そして、女優のサラ・ベルナール演じる劇『ジスモンダ』のポスターを手掛け、一夜にして有名に。アール・ヌーヴォーを象徴するポスター画家の第一人者として知られるようになる。

以後、ビスケットや装飾皿など様々な商品のパッケージに自らの作品を積極的に利用し、切手や紙幣、宝飾品に至るまでデザイン。その特徴的な優美な女性像と花々を組み合わせたグラフィックおよびプロダクトデザインは、絵画作品とはまた異なる魅力が感じられる。

また、身近な人々との生活を写した写真から、ミュシャのプライベートの紹介、油絵や水彩などの一点物のオリジナル作品に加え、初恋の人に対する純朴な気持ちを表現した素描などの貴重な資料も。彼がマルチ・アーティストと呼ばれるゆえんを、ぜひその目で確かめて。

text:Tomoe Tamura

【関連記事】「エスパス ルイ・ヴィトン東京」がヴォルフガング・ティルマンスの個展を開催
【関連記事】おしゃれなバランスボールから器まで！ センプレの展示会「THE BOX」注目ブランド