×

「ゴールデングース」が手がける「HAUS Tokyo」がオープン! CEOが語る、顧客が夢を形にできるラグジュアリー

イタリアのラグジュアリーブランド「ゴールデングース(Golden Goose)」が手がけるコンセプトショップ「HAUS Tokyo」が2025年7月、東京・銀座にオープン。昨年のヴェネツィア・ビエンナーレにおける 「HAUS MARGHERA」、メキシコの「HAUS MEXICO CITY」に続く世界で3店舗目となる新旗艦店について、来日したCEOシルヴィオ・カンパラ氏に店への思いやブランドのあり方について話を聞いた。

日本のクリエイターと協業した空間づくり

アイコン的存在のスニーカーをはじめ、Made in Italyの高い品質と洗練された唯一無二を追求する次世代のグローバルラグジュアリーブランド、「ゴールデングース」。アジア初にして唯一となる旗艦店「HAUS Tokyo」は、多くのハイブランドが立ち並ぶ銀座の並木通りにオープンした。地下1階から3階まで4フロアからなる空間で、ブランドの世界観を体感できる。

その特徴のひとつが、日本のクリエイターと協業した「HAUS Tokyo」の空間づくりだ。店舗正面には、グラフィックデザイナーの美山有による「HAUS」のロゴを再解釈したファサードを掲げ、訪れる人を迎える。ほかにもKAMIRAKUMAKAが全館のグラフィックを手がけ、陶芸作家の小島陽介はジュエリー展示台や花器などの伊賀焼を提供、3階フロアではリメイクデニムブランドとして有名なヤマサワプレスが制作したデニムラグを採用している。

中3階にディスプレイされた、KAMIRAKUMAKAによるグラフィック

日本で生まれたさまざまな作品がフロアだけでなく、階段や試着室などあらゆる場所に配置され、空間をよりクリエティブで新たな形のラグジュアリーなものに。

陶芸作家の小島陽介による伊賀焼のジュエリー展示台。

世界で3番目の店舗として日本を選んだ理由は?

「以前のファッションが経済の取り引きがメインだったとすれば、今の時代は、文化や感情のやり取りがとても重要です。その文化について、日本には伝統的な背景があり、同時にイノベーションがあることも特別です。私が感じる東京の消費者はとても成熟していて、他人からの承認よりも、自分の目を意識し、より自分でありたいと考えています。

そして買い物によってこれまでとは違うフィーリングを得たいと考える人が増えていることも感じます。新しいことに挑戦する準備ができた人が、『ゴールデングース』の商品を手に取ってくれるのではないかと期待しています」

アイテムに自ら手を加えることで、価値は一層高まる

SNS時代になり、ブランドのあり方にも大きな変化が起きているとカンパラ氏は言う。「これまで、ブランドと消費者の間には一定の距離がありました。それを埋めるものとしてファッションショーや広告があり、顧客にメッセージを伝えていました。消費者はそのメッセージを受け取り、ブランドに憧れをもつという関係性がありました。

しかし、ソーシャルメディアが普及したことでその距離はなくなり、自らが中心に立ち、コンテンツをつくる時代になりました。ひとりひとりが主役となり、ブランドを通してみずからもアイテムを作り、それを発信したいと思うようになったんです。

私たちは消費者が一方的に憧れるブランドであることや、ブランドの思いをお客さんに伝えることよりも、みんなを巻き込み、彼らとつながることを大切にしています。消費者自身に中心に立ってもらい意見を聞くこと、本当に欲しいものを引き出すことに注力しています」

おもちゃ箱からお気に入りを見つけるワクワク感

カンパラ氏の言葉通り、店内にはお客さんが主役になるための仕掛けがいくつもある。ディスプレイのユニークさもそのひとつだ。たとえば、日本の伝統工芸品であるこけしと、「ゴールデングース」のアイコン的存在のスニーカーがラックの中で一緒に並んでいたり、ダンボールの中にスニーカーがたくさん詰まっていたり。歩いているだけで、おもちゃ箱をのぞいてお気に入りのものを見つけるようなワクワク感がある。

「 “探す”ということもキーワードのひとつです。あえてきれいに並べるのではなく、いろいろなものがラフに並ぶなかで、お客さんがそれを探し自分の手で触れることが重要なのです」

「Co-Creation」(共同創作)のスペースが充実しているのも特徴だ。Dream Makerと呼ばれるブランドの職人兼デザイナーとともに、スニーカーやウェア、小物に対して、手刷りで柄を入れることや、ハンドペイントや刺繍(ししゅう)などの手法でカスタマイズできる。自ら参加し、アイテムや人と対話しながら、自分だけのものを創造できる。

「私たちのブランドは、アイテムではなくストーリーをつくっています。なぜならブランドを永遠にするものは、素材でもなく、職人の技術でもなく、そこに生まれる感情だからです。

消費者が自分のクリエイティビティを解き放ち、アイテムに手を加えることで思い出ができ、商品に大きな価値が生まれます。ストーリーがあり、それを所有することでいいフィーリングでいられることが重要で、私たちはとにかくお客さんをハッピーにしたい。そういう関係を新しく生まれたこの場所で構築していきたいと思っています」

フロアごとに異なるやさしい香りに包まれながら、アートに触れ、アイテムを探し、手を加えて創造できる没入空間「HAUS Tokyo」。これまでのラグジュアリーブランドとは違うアプローチに触れられる新しい体験をぜひ。

interview: 宮智 泉(マリ・クレールデジタル編集長) text: Noriko Oba

この秋はバーガンディにときめく
モードに愉しむ乗馬のスピリット

関連情報

Profile

ゴールデングースCEO/シルヴィオ・カンパラ(Silvio Campara)


ミラノの名門ビジネススクール、ルイージ・ボッコーニ校を卒業後、「アレキサンダー・マックイーン」でキャリアをスタート。「ジョルジオ アルマーニ」などでアジアの小売りネットワーク立ち上げに従事。その後、企業買収等にも関わり現在に至る。

リンクを
コピーしました