ショーメが描く植物の美学、新ハイジュエリーコレクション「ジュエルズ バイ ネイチャー」
245年にわたり、自然との詩的な対話を続けてきたフランスの高級ジュエリーメゾン「ショーメ」。新作ハイジュエリーコレクション「Jewels by Nature(ジュエルズ バイ ネイチャー)」では、自然の中でもとりわけ豊かな詩情を宿す「植物」に光を当て、3つの章「永遠」「儚(はかな)さ 」「再生」に分けて構成された。各作品には、それぞれの植物に秘められた命の物語が織り込まれ、ショーメならではのサヴォワールフェールによって時を超えた美へと昇華される。
永遠
ワイルドローズ
1922年にジョセフ・ショーメによって制作された伝説的な「ワイルドローズ リーフ ティアラ」から着想を得たこのパリュールは、黄金の雄しべのようなファンシーイエローダイヤモンドが咲き誇るネックレス、指輪、イヤリングを中心に展開。中でも「VS2ファンシービビッドイエローダイヤモンド」(8.23カラット)を中央に配したネックレスは、3通りの着用スタイルが楽しめ、約1500時間以上を費やした技術の粋が凝縮されている。一年を通して咲き誇るとげのないバラであるワイルドローズのしなやかでぷくっとした花びらのフォルムと、繊細な構造美が融合し、ショーメの自然主義の真髄を示す圧巻の逸品だ。
オート(麦)&フィールドスター
何千年もの間栽培されてきたオーツ麦と、土壌の中で何年も生きることができる種子を持つフォールドスター。この2つの永続性に敬意を表して誕生したこのパリュールは、ショーメの伝統的な金細工の卓越した技術により約1300時間の時間をかけて作り上げられた。風に揺れる麦の穂と野の花をモチーフに、詩的な田園風景を再現している。可動式ネックレスにはホワイトゴールドの上にダイヤモンドが煌めき、3石のクッションカット・イエローダイヤ(8.32カラット)が花々に陽光を落とすように表現されている。
クローバー&ファーン
踏まれても力強く生え続けるたくましいクローバーがもたらす幸せと、古代から生命力を宿す力強さの象徴としてのファーン(シダ)。これらを融合させたこのジュエリーは、オイル処理されていない3石のコロンビア産エメラルド(合計11.61カラット)を主役に、重なり合うホワイトゴールドとダイヤモンドのコンビネーションが特徴だ。ダイヤモンドはカットダウン、ベセル、イリュージョンの様々なセッティングが組み合わされている。ネックレスのところどころに三葉と四葉のクローバーがあしらわれ、幸運を運ぶ一枚を探す楽しみを演出している。
儚さ
カーネーション
実際には存在しない「ショーメブルー」のカーネーションは、まるで空気をまとうかのような軽やかさを表現。ドロップのようにセットされた36.44カラットのセイロン産の深い色調のブルーサファイアを主役に、ブルーグラデーションの宝石が繊細に配置されたこのネックレス。V字のラインとレースのような構造が、花の儚さとエレガンスを両立させている。
ソードリリー
風に揺れるソードリリーの曲線美を活かした作品は、ナイフエッジセッティングによって金属の存在を消し、合計14.03カラットのモザンビーク産ルビー7石がまるで空中に花を咲かせたような姿を見せる。ソードリリーが咲き誇る瞬間と、ツタが絡まる自然のあるがままの姿を立体的に表現。
再生
マグノリア
ナポレオン一世の皇后ジョゼフィーヌが愛した花、マグノリア。開花直前の花の姿を5.26カラットのペアシェイプダイヤモンドのドロップで表現したネックレスは、つぼみ、花、葉といったマグノリアの生命のサイクルを見事に表現したデザインで、技術と詩情を極限まで引き上げた傑作。ブローチやティアラなど、内側と外側の両面に施されたパヴェがふっくらと立体的にマグノリアを構築し、様々なスタイルで自然の復活の瞬間を賛美する。
初代のマリ=エティエンヌ・ニトが自らを「ナチュラリストジュエラー」と自称したように、写実的に植物の一瞬の姿を捉えようとするショーメのクリエイションは、単なるラグジュアリーの枠を超え 、私たちに自然との関係を問いかけてくれる。それは、身にまとう詩であり、時のうつろいに寄り添う自然主義的なジュエリーの新しい在り方でもある。
text: Keiko Suyama
・光の記憶がジュエリーに宿る、FREDの新作ハイジュエリーコレクション
・バラの花びらの優美な舞いをジュエリーに ミキモトの新作「レ ペタル」コレクション