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©2022 Disney
アン・ハサウェイの輝きが際立つロイヤルファッション『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』【ドレスに見惚れる名作シネマ】
2022.6.14
ジューン・ブライドの季節、見目麗しい花嫁と彼女がまとう美しいドレスが印象的な映画作品を紹介します。1作目は今年のカンヌ映画祭でも際立つ美しさで注目を集めたアン・ハサウェイの出演作です。
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2022.6.14
ジューン・ブライドの季節、見目麗しい花嫁と彼女がまとう美しいドレスが印象的な映画作品を紹介します。1作目は今年のカンヌ映画祭でも際立つ美しさで注目を集めたアン・ハサウェイの出演作です。
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サンフランシスコの高校に通う内気で冴えない15歳の女の子ミアが、ある日突然ヨーロッパにある王国の王位継承者だと告げられ、パーソナリティとかけ離れた運命と葛藤しながら成長する姿を描いた『プリティ・プリンセス』(2001年)。
全米で1億ドルを超えるヒットを記録し、この作品で映画デビューしたミア役のアン・ハサウェイを一躍スターに押し上げた。この成功を受けて製作された続編が、大人になったミアが女王になるための “条件”をクリアするべく奮闘するロマンティック・コメディー『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』(04年)である。
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アメリカの名門大学を卒業したミアは、亡き父の祖国ジェノヴィアに渡る。祖母のクラリス(ジュリー・アンドリュース)が年末に女王を退位し、ミアはその跡を継ぐことになっていた。
ところが、権力の掌握を狙うメイブリー子爵(ジョン・リス=デイヴィス)が議会で思わぬ横槍を入れる。ジェノヴィアの法律では、王位継承者は21歳の誕生日に王となる資格を得るのだが、女性の場合は既婚者でなければならない。だから未婚のミアには資格がなく、自分の甥であるデブロー卿(クリス・パイン)こそが正当な王位継承者だ、と。議会は紛糾するが、ミアが30日以内に結婚できなければデブロー卿に王位が譲られるとの決定が下される。
前近代的だと怒りつつも、王の座を守るため政略結婚を推し進めるミアたち。そうしてアッという間に女王の夫にふさわしいスペックの持ち主アンドリュー公爵との婚約にこぎつけた。ことは順調に進み、めでたいはずなのに、なぜかミアは宿敵である“あいつ”のことが気になってしかたがない——。
続編もヒットしたおかげで、アン・ハサウェイは、『プラダを着た悪魔』(2006年)でジャーナリスト志望ながらファッション誌のアシスタントになり悪戦苦闘する女性を演じて再び興行的な成功を収めるまで、プリンセスイメージの払拭に苦労することになるが、それだけミア=アンの印象が鮮烈だったといえる。彼女自身がもつ魅力を一層輝かせたのは、ロイヤルファッションの数々だ。
衣裳を担当したのは、ゲイリー・ジョーンズ。長年ハリウッド映画に携わり、『プリティ・プリンセス』シリーズに代表されるキュートなものから、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンといういぶし銀のオスカー俳優が銀行強盗を演じた犯罪コメディ『ジーサンズ はじめての強盗』のようなオシャレとは対極にあるものまで、幅広いジャンルの作品で腕を振るっている。
彼が手がけたミアの衣裳は、パーティーでのイブニングドレス、公務で着るスーツやワンピース、そしてオフの時のカジュアルウェア……どれもほどよく上品で可愛いのだが、出色なのはウエディングドレスだ。レースをふんだんにあしらったオフショルダーのドレスはエレガントで、プリンセスの美しさを際立たせている。
まさに理想の花嫁姿だが、ミアは結婚式の列席者たちに対して、見た目とは裏腹なある宣言を行う。現代の価値観をふまえた模範的かつ理想的な結末が用意されていて、誰が観ても平和な気持ちになれるファミリー映画である。
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香月友里
かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターに。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る
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