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「見る」から「所有する」へ。アートとともに暮らす、初めての購入案内

Auction
オンラインや旅先で会場の臨場感を味わう

高額での落札がしばしば話題を呼ぶオークション。富裕層向けに感じられるかもしれないが、オークションハウス「サザビーズジャパン」で代表を務める市川真依子さんによれば、誰でも参加できるという。

「紹介制なのでは、入会金があるのでは、といったイメージもあるかもしれませんが、実際は年齢層、ご予算によらず、幅広いお客様にご利用いただいています」  

サザビーズは現存する世界で最も歴史のあるオークションハウス。ニューヨーク、ロンドン、香港、パリなど9都市にセールルームを持ち、世界中から入札できるオンラインオークションも行われている。オークションは約70の分野に分かれ、開催回数は1年に450回以上だ。

「ご予算、お好みに合わせ、幅広い作品をお探しいただけること、ご入手の機会が多いことはオークションの醍醐味です。美術品部門は、紀元前の古代遺物から現代アートまで時代やジャンルで細分化していて、50万円前後の作品などもあります」

カルピダスコレクション
2025年9月、ロンドンで開催されたカルピダスコレクションのオークション風景
©Sotheby’s
カルピダスコレクション
カルピダスコレクションの下見会場。邸宅を再現するように美術品や家具が配置された
©Sotheby’s

どのように作品やオークションをチェックすればよいのだろうか。

「ホームページでメールアドレスを登録し、作家やジャンル、色などを選んでいただくと、それに合った作品がオークションに登場する際、自動的にメールが届きます。オークションはすべて海外で開催されているため情報は英文ですが、東京事務所にご連絡いただければ日本語でご案内します」

基本的な流れは、まずホームページやカタログで目星をつけ、可能であれば出品作品を展示する下見会で実物を確かめる。入札を決めたら、身分証明書など必要書類を用意して登録。開催当日に入札し、落札できれば支払いに進む。入札の方法は電話、オンライン、書面など。手数料や送料がかかるため、それらを含めた予算を定めておくと安心だ。

コロナ禍以降、オンラインで入札に参加する人が増えている。入札しなくてもサザビーズのホームページやアプリからオークションを無料で視聴でき、会場の臨場感を楽しむことが可能だ。下見会を回遊し、作品の詳細な画像もチェックできる。

市川さんは、海外旅行の折にオークションハウスをぜひ訪ねてみてほしいと語る。

「ご訪問先の都市にサザビーズのオフィスがあるか、ご確認いただきたいです。下見会や作品展示を無料でご覧いただけます。美術館に陳列されているような作品を近くで観られるのです」

時には著名なコレクターが収集した個人コレクションのオークションが開催され、特色あるラインナップを楽しめる機会も。

「2025年9月、コレクターのポーリーヌ・カルピダス氏が、ロンドンの邸宅にある作品をまとめてサザビーズに出品したことは印象深く、今後も語り継がれると思います。マグリット、ダリ、ピカソ、ウォーホルなどの傑作に加え、彼女のために製作された家具など、出品総数は345点におよび、下見会には1万2000人が来場。延べの落札金額が約201億円という記録的な結果となりました」

市川さんは、ポーリーヌ氏がこの出品について語った言葉が心に残っているという。

“私は常に、彼らの作品の一時的な管理人であると考えてきました。そして今、私のロンドンの住まいを構成する作品たちが、次の世代の管理者を見つけるのに絶好の機会だと感じています。これは決して終わりではありません。これまで長年続けてきたように、これからもアートに囲まれて暮らし、本を読み、新しい作品を集め、アーティストを支援していきます”

市川さんの自宅の作品
市川さんの自宅にある作品。陶芸家・伊藤秀人の《CELADON: FLAT》。繭山龍泉堂と伊藤が共同し、古くから愛される焼きものを新解釈した作品で、アートフェアで購入
市川さんの自宅にある作品
市川さんの自宅にある作品。北島敬三《NEW YORK Club STUDIO 54 1982》。写真集発売に際して特別展示されていた作品を書店River Booksで購入した
市川真衣子
市川真依子
株式会社サザビーズジャパン
取締役ディレクター 日本支社代表
©minoriphotoworks

サザビーズジャパン
電話(代表):03-4590-0640
e-mail: infojapan@sothebys.com
https://www.sothebys.com/jp/

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